日本版SquareのCoineyの経営にサイバーエージェントの西條晋一氏が参画

Coineyは日本版Squareとして注目を集めるスタートアップである。昨年秋には試験的にサービスをスタートさせていて、一部店舗がCoineyのサービスを利用して決済をしているという。そして、この2月にはイーストベンチャーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ、エンジェル投資家となったアトランティスの木村新司氏から1億円の資金調達をしている。

このCoineyにサイバーエージェントの元専務取締役でまもなく同社を去る西條晋一氏が取締役として経営に参画する。

確かにこれまでもスタートアップ企業に、大手企業の経営者や経営に携わってきた人物が取締役として就任するケースはたくさんあったが、それは、非常勤の経営を監視するための取締役としてである。今回、西條氏は自身の起業がスタートする以前に、Coineyのビジネスを加速させる役割として加わっている。Coineyには若い世代が集まっているので、事業経験が豊富な西條氏は大手企業との提携などがメインの仕事となるようだ。

西條氏は大学卒業後、伊藤忠に入社し、その後2000年にサイバーエージェントに入社。ベンチャーキャピタル事業のシーエー・キャピタル(現サイバーエージェント・ベンチャーズ)やゲーム事業のジークレスト、FX事業のサイバーエージェントFXといった事業の立ち上げを行い、それぞれの企業の代表取締役として活躍している。サイバーエージェントの収益面で大きな功績を残している。同社の専務取締役就任後も、米国事業を立ち上げて責任者としてサンフランシスコでその時間の多くを過ごしていた。

専務取締役退任時には、サイバーエージェントのFX事業をおよそ200億円でヤフーに売却して大きなキャッシュをもたらしている。

Coineyの目下の課題は提携先の拡充だろう。現在は複数のクレジットカード会社と組んでビザとマスターのクレジットカードに対応しているが、今後は他のクレジットカードサービスや電子マネーなどにも対応していきたいと考えている。そしてサービスが正式にスタートした際には加盟店の拡充が成功の鍵となる。西條氏がCoineyの事業に集中して関われる時間は限られているだろうが、そこまでにある程度の結果が出てくるものと予想される。