暗号通貨に暗雲、SECがTelegramの17億ドルトークン売り出しを禁止

暗号通貨(仮想通貨)の暗いニュースが止まらない。米国証券取引委員会は緊急措置を申請し、Telegram(テレグラム)がブロックチェーンで17億ドル(約1842億円)ぶんのトークンを売り出す計画に対する禁止命令が発行された。

今回のSECの行動に先立ち、Facebookが計画する暗号通貨であるLibraを支援する企業提携から脱退が相次いでいた。

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Telegramの野心的な創業者であるPavel Durov(パベル・デュロフ)氏は、Telegram Open NetworkをLibra同様世界の規制制度を離れた決済方法のひとつとして提供しようと考えていたとTechCrunchが初期に報じた

Telegramのトークン売出しは2018年1月以来準備が進められていたが、昨年半ばに問題が発生し、新しいプロトコルの将来はすでに危険にさらされていた。

SECの訴状によると、Telegram Groupと子会社のTON Issuerは、2018年1月に資金調達を開始し、ブロックチェーンのTONとMessengerの開発を始めとする同社のビジネスを支えようとした。

被告であるTelegramは、29億ドル(約3143億円)ぶんのトークンを初期投資家171人に割引価格で販売し、うち10億ドル以上を39人の米国バイヤーに売った。

Telegramは、2019年10月31日までにトークンを提供し、購入者はそれを市場で販売できるようになると言っていた。しかしSECの訴状によると、Telegramはトークンの提供と販売の登録を怠っていた。SECは同社のトークンを証券と考えている。

「本日の緊急措置は、われわれが違法に販売されたと考えるデジタル通貨を、Telegramが市場にあふれさせるのを防ぐことが目的だ」とSECの管理部門ディレクターであるStephanie Avakian(ステファニー・アヴァキアン)氏が声明で語った。「被告はGramsとTelegramの事業運営、財務状況、リスク因子、および証券法が定める管理方法などを投資家に提供していなかったことを、我々は断言する」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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