曲がり角を振動で教えるスマートシューズ、Lechal

Google GlassもJawbone Upも忘れていい。次に来るウエアラブルの波は、インド生まれのスマートシューズだ。ヒンディー語で「私を連れていって」という意味のLechalは、Bluetooth内蔵のインソールだ。Google Mapsと連動して、指定したルートを行くのにどこで曲がればよいかを振動で教えてくれる。

Ducere Technologies Pvtが作ったこの靴は、専用アプリがGoogle Mapsと同期し、歩数と消費カロリーを記録する。靴本体は町中のジョギングに使える。

この時点で読者はこれを、ランナーのためのハイテクグッズの類だと思っているだろう。しかし、Lechalの応用範囲はもっと幅広い。このインソールは、今持っている靴にも大ていフィットする。運転中にSiriのナビではなく音楽を聞きたい? Lechalが、いつ曲がればよいかを振動で代わりに知らせてくれる。サイクリング、ハイキング、ウォーキングなどをしながら、5秒毎に地図を見たくない人にもぴったりだ。

この靴の元のアイデアは、視覚障害者のナビゲーションに役立てるためだった。世界保健機構(WHO)によると、世界の視覚障害者の約90%は、途上国に住んでいる。インドだけで20%前後だ。

下のビデオにあるように、ユーザーはスマートフォンのマップにピンを立てて、友達と会う場所を決めることもできる。靴は、待ち合わせ場所へ向かうための曲がり角を、触覚フィードバックで案内する。

Lechalには、Smart Assistの呼ばれる機能もあり、携帯電話が近くにないことを知らせてくれる。

スマートシューズのアイデアはこれが初めてではないが、ナビゲーションに取り組んだ製品は初めてだ。Aetrexは、アルツハイマー症などの認知症患者を追跡するスマートシューズを数年前に開発したが、触覚学習やナビゲーション、フィットネス等への応用例はない。

Lechalのアイデアとデザインは、米国で教育を受けたインド人エンジニア、Krispian LawrenceとAnirudh Sharmaの2名から生まれた。幼ない時から友達同志だった2人は、インドに戻ると2011年に、新たに誕生したテランガナ州にDucereを設立した。会社はたちまち大きくなり、現在社員は50名だ。Lechalは、Ducere社初の製品で、今年9月に100~150ドルで発売される予定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。