最も理想に近い「ポータブルXbox」をiPhoneとゲームパッドBackbone Oneの組み合わせで実現

2020年末にこちらの記事で紹介したiPhone用ゲームパッド「Backbone One(バックボーンワン)」が、ゲームアクセサリとしては究極の提携を果たした。米国時間6月28日、Xbox Cloud Gaming(エックスボックス・クラウド・ゲーミング)の提供開始に合わせて、iOS向けXbox Game Pass Ultimate(エックスボックス・ゲーム・パス・アルティメット)にバンドルされることになったのだ。

この提携の一環として、Backbone Oneは「Designed for Xbox」のスタンプが押された新しいリテールパッケージで、Xbox Game Passとバンドルして販売される。Backbone OneとiPhoneの組み合わせは、我々がこれまで見た中で最も「ポータブルXbox」に近いものだ。

前回書いた記事では、Backbone OneがiOSに組み込まれているアクセサリーAPIを巧みに利用して、専用アプリのダッシュボードに非常に洗練された機能が提供されていることを紹介した。今回、そのダッシュボードがアップデートされ、所有するゲームの表示や、新しいゲームの紹介、クリッピング機能で友人とキラープレイを共有するといった機能がさらに使いやすくなった。これは、筆者がこの数年間にiOSで見た最高のゲームアプリの1つであり、世界で最も多いゲームユーザーのために、世界で最も大きな遊び場を作る可能性を大いに秘めている。

画像クレジット:Backbone

Backbone Oneに備わるキャプチャー・ボタンは、Xbox Cloud Gamingと連携し、リンクとして共有することができる。新しいXbox Game Passのフィードを表示したり、同じインターフェイスでXboxとiOSのゲーム間を移動することも可能だ。また、現行機ではまだ十分に活用されていないが、実際には非常に優れた機能であるXbox Remote Play(Xbox リモートプレイ)機能も大きく取り上げられている。

パッケージにはAppClip(アップ・クリップ)が使用されており、店頭でパッケージを見ると、Xbox Cloud Gamingを実行中のBackbone OneがARで表示される。

Backboneチームは、その巧妙で洗練された統合と確かな直感で、引き続き感銘を与えている。チームにゲームコントローラーの血統があることは明らかだが(オリジナルのXbox 360コントローラーを開発したチームメンバーの何人かがBackboneに携わっている)、最も印象的なのはソフトウェアの面だ。Backboneが「Warzone(コール・オブ・デューティ・ウォーゾーン)」や「Minecraft(マインクラフト)」のようなAAA級のiOSゲームと、XboxやPlayStationのリモートプレイ、そして今回対応したネイティブなxCloudゲームという異なるゲーム体験を統一させた方法は、これまでApple(アップル)を含め誰も上手くできなかったことであり、モバイルゲームの未来のあり方を感じさせる。

画像クレジット:Backbone

Xbox Cloud Gamingはウェブベースであるにもかかわらず、Backboneの非常によくできたダッシュボード内ではネイティブアプリとして扱われ、表示される。筆者は個人的にBackboneで、Stadia(ステイディア)を介して「Destiny 2(ディスティニーツー)」を長時間プレイしたが、非常にすばらしかった。現在のXbox Cloud Gamingのタイトルと同じように、このダッシュボードにより直接的に統合され、クリッピングやソーシャル共有できるようになるのが待ち遠しい。

Backboneがインストールされていると、ゲームを発見し、ダウンロードして、プレイするという体験は、チームがキュレーションに力を入れていることもあり、Apple Arcade(アップル・アーケイド)よりも優れている。非常に洗練されたリンクの仕組みも取り入れられているので、アプリのクリップがフィードで共有されているのを見たら、すぐにApp Store(アップ・ストア)からアプリをダウンロードすることができる。インターネットネイティブのプレイヤーは、このような形で新しいゲームを見つけてすぐにプレイしたいと思っているはずだ。ゲームやストリームが継続的にハイパーリンクされた世界では、いちいち手動で検索する手間をかけずとも、ゲームを見たり、フォローしたり、プレイしたりすることが可能になる。

そしてそれはまた、将来的にはゲームを発見して「ダウンロード」するだけなく、友人が共有したゲームプレイの映像を見たら、それをタップするだけで、ゲームを購入する前に最初のレベルや試合を、体験プレイして夢中になれるような世界の到来を感じさせる。それは新たなプレイヤーを引き寄せる大きな入口となるはずだ。

今回のMicrosoft(マイクロソフト)との提携により、Backbone Oneを公式ウェブサイトまたはマイクロソフトストアから99ドル(約1万900円)で購入した人は、Game Pass Ultimateを3カ月間利用できる。Game Pass Ultimate3カ月分の価格だけで45ドル(約5000円)することを考えると、これは新規顧客にとって非常にお得な条件といえるだろう。そしてこの提携は、まだ歴史の浅いスタートアップ企業であるBackboneにとっても、大きな後押しとなるに違いない。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Backbone OneiPhoneXbox Game PassMicrosoftiOSアプリ

画像クレジット:Backbone

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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