東南アジアで事業終了したUberがAPAC本部をシンガポールに残存させる理由

Uberは、昨年現地事業をGrab(グラブ)に売却して、東南アジアでの営業を終了したが、引き続きシンガポールに留まり、アジアパシフィック地域のための新たな地域本部を開設し、現在スタッフを雇用している。

近日中のIPOを目指している同社が、彼の地でサービスを再開するわけではない。しかしその新しい本部(HQ)が置かれたのはシンガポールの中でも興味深い場所だ。

だがここしばらくは行き詰まった空気が流れていた。昨年8TechCrunchは、Uberがシンガポールで大々的な採用活動を行っていると報じたが、結局その成果は新しい2000平方メートルのオフィスとして現れた。その場所は、シンガポールの中央ビジネス地区の近くである。これは、Uberがアジア太平洋地域で関わっている9つのマーケット(日本、韓国、オーストラリアなどを含む)のマネジメントセンターとして機能する。なおUberにとって2番目に大きいマーケットであるインドは、他の地域とは別に管理されている。

Uberの東南アジアでの売却(これによってUberはシンガポールのライバル企業の株式の27.5%を戦術的に取得した)では、Uberはその運営人材を、Grabにわたすことを基本的に拒否した。その代りにUberの大部分のコアマネジメントチームは、シンガポールの同社に留まったままなのである。例えば、2017年にアジアパシフィック地域の最高経営責任者として雇用されたたBrooks Entwistle(ブルックス・エントウィッスル)氏は、Uberの国際最高ビジネス責任者として留まっている。

シンガポールの地元紙であるStraits Timesによれば、シンガポールのUberの人員は少なくとも165人であり、現在さらに17人を募集中である。昨年報告したときには、同社はシンガポールに本拠を置くチームを100人以上にするために、少なくとも75のロールに対して雇用を行うことを目指していた。どうやらその目標は達成し、更にある程度の雇用も行ったようだ。

[原文へ]

(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。