東南アジアの大手オンライン不動産業者PropertyGuruがKKRとTPGから290億円獲得

東南アジア有数の上場不動産会社であるPropertyGuru(プロパティグル)は9月2日、2億2000万ドル(約230億円)の新規出資を確保し、この地域で大きな進歩を遂げると発表(PropertyGuruリリース)した。

PropertyGuruは既存投資家でありバイアウトの巨人であるKKRとTPGからの資金で、同社にとっての主要市場であるシンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアですでに意欲的に進めている事業を加速する。同社はそれぞれの国に特化した不動産ポータルを運営している。

今回の未公開市場からの資金調達の約1年前に、オンライン不動産業者である同社はオーストラリア証券取引所に上場する計画を撤回(THE KEN記事)した。2007年創業の同社は当時、最大2億7500万ドル(約290億円)の調達(ロイター記事)を目指していたという。同社がKKRから1億4400万ドル(約150億円)を調達した(未訳記事)ときから数えると2年近くになる。

PropertyGuruは2019年に前年比24%の増収と大きく成長し、自身の予想を上回った。同社は自らを東南アジア最大のプレーヤーと呼ぶが、手ごわい競争相手もいる。例えば99.coとiPropertyが昨年設立した合弁会社などだ。99.coには、Facebook(フェイスブック)の共同創業者であるEduardo Saverin(エデュアルロ・サベリン)氏、Sequoia Capital(セコイアキャピタル)、East Ventures(イーストベンチャーズ)などの著名な投資家が投資している。

オンライン不動産業者は東南アジアで積極的な拡大を続けている。この地域の比較的低い投資基準と高い賃貸利回りにあやかりたい不動産投資家にとって魅力的な目的地となっているためだ。その多くは、近年不動産投機が抑制されている近隣の中国の投資家だ(Bangkok Post記事)。

PropertyGuruの2020年はこれまでのところ多忙だ。シンガポールに住宅ローン市場を、また旅行が安全でなく実行も難しいこの時期に不動産開発業者や探索者のためのバーチャル内覧機能を立ち上げた。毎月、2450万人の不動産の探索者が同社のさまざまなプロダクトを利用して住宅を探している。登録されている住宅数は、最新の資金調達のニュースの時点で、地域全体で270万件に上る。

「過去数年間の強力な財務実績により、積極的かつスマートに投資し、今日の東南アジア市場でのユニークな機会に対応する差別化された統合テクノロジープラットフォームを構築することができた」とHari V. Krishnan(ハリ・V・クリシュナン)最高経営責任者は声明で述べた。

画像クレジット:PropertyGuru

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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