植物由来プリンのスタートアップ「Noops」がプレシード完了からわずか2カ月で約2.2億円追加調達

200万ドル(約2億2000万円)のプレシード資金調達完了からわずか2カ月後、植物由来プリンのスタートアップであるNoops(ヌープス)が新たに200万ドルの調達ラウンドをLerer Hippeau(レラー・ヒッポー)のリードで行ったことを発表した。

ニューヨーク州ロングアイランド拠点の同社は、2019年にHungryroot(ハングリールート)の共同ファウンダー、Gregory Harry Struck(グレゴリー・ハリー・ストラック)氏が、がんと闘い野菜中心の食事を摂るようになった後に創業した。

「この会社は、多くの食べ物を除外されていた私の必要から生まれました」とストラック氏がTechCrunchに語った。「この変化の時期に、私は食事について、また食事が私たちの幸福と健康に及ぼす影響について考えました」。

ストラック氏は、食料品店のヨーグルト売り場を見ていた時、プリンが目に入り、なぜこの商品が栄養面から考え直されてこなかったかを不思議に感じた。帰宅した彼は自宅を業務用厨房に変え、小さな子どもたち3人を味見係にして、さまざまなレシピの実験を開始した。

うまくいくレシピを発見すると友だちや家族にプリンを渡すようになり、ついにはNoopsを立ち上げた。最初の製品はオーツミルク由来の製品ラインで、オーガニック、乳製品とグルテンを含まず、プレバイオティクス、植物性タンパク質および食物繊維を含み砂糖無添加だ。チョコレート、キャラメル、モカ、バニラといった馴染みのあるフレーバーが揃っている。

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Lerer Hippeauの他に、Siddhi Capital(シディ・キャピタル)、Idea Farm Ventures(アイデア・ファーム・ベンチャーズ)、Simple Food Ventures(シンプル・フード・ベンチャーズ)、Animal Capital(アニマル・キャピタル)、およびAmerican Pie(アメリカン・パイ)の幹部、Alan Mitzner(アラン・ミツナー)氏が出資した。最新のラウンドの結果、同社の総調達額は500万ドル(約5億5000万円)に達したとストラック氏は言った。

「これは、私たちにとって非常に大きいことです。Lerer Hippeauのようなパートナーに私たちが次の世代になれると信じてもらえたのですから」と付け加えた。「そして私たちは、これからどこへ行くのか、そして未来を見つけそこで役割を果たせることをはっきりとわかっています」。

この出資の一環として、The Fresh Market(ザ・フレッシュ・マーケット)の前CEO、Larry Appel(ラリー・アップル)氏とHungryrootのCEO、Benjamin McKean(ベンジャミン・マキーン)氏が同社の諮問委員会に加わる。

Lerer HippeauのパートナーであるAndrea Hippeau(アンドリー・ヒッポー)氏は、ストラック氏が植物由来食品業界に衝撃を与えて強力な会社を作ることができると自分たちに信じさせたのは、ストラック氏自身と彼の経歴だったと語った。Bloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)のレポートによると、植物由来食品市場は2020年に294億ドル(約3兆2531億円)規模と推計されており、2027年には740億ドル(約8兆1881億円)に成長することが見込まれている。

ヒッポー氏は同分野の投資家として、この分野を「あらゆるカテゴリーに影響を与える次世代消費財」と見ていると語った。そして、植物由来食品は肉類、海産物などさまざまなカテゴリーに進出しているが、プリンではほとんど見ることがなく、健康志向の製品をもつ既存企業はいない、とヒッポー氏は言った。

事実、米国の食料、飲料大手トップ25による年間売上3480億ドル(約38兆5062億円)のうち、500億ドル(約5兆5325億円)ほどがJell-O(ジェロ)などのスナックブランドによるものだが、Jell-Oには動物由来成分が含まれており、それは1897年の発売以来変わっていない、とストラック氏は言った。

「食料品店は植物由来の代替商品を求めています」とヒッポー氏は言った。「Noopsはみんなが好きなものと同じフレーバーと栄養分を含むプリンを作り、ヨーグルトと正面から戦っています。グレゴリー氏と彼のチームは、それを理解しているので、私たちのところに来た時、すでに必要なネットワークを持っていました」。

新たな資金は、Noopsの小売と直販の流通チャンネル開発、パートナーシップの追加開拓、経理と営業の主要人材の雇用、生産3倍増に向けての第2生産パートナーの決定、ヨーグルトに代わる朝食向け製品ラインの開発などに向けられる。

Noopsが正式発売されたのは2021年第1四半期で、現在Sprouts Farmers Market(スプラウツ・ファーマーズ・マーケット)、Wegmans Foods Markets(ウェグマンズ・フード・マーケッツ)など750以上の小売店で販売されている。また、同社は2020年の発売前時点以来、予測数値を2倍にした。2021年中にFresh Thyme(フレッシュ・タイム)を発売予定。

画像クレジット:Noops

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(文:Christine Hall、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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