機械学習と画像認識のAIで歯科医療を改善するVideaHealthが約5.6億円調達

若きスタートアップVideaHealthの(ビデアヘルス)CEOを務めるFlorian Hillen(フローリアン・ヒレン)氏が歯科医療の問題に取り組んだのは約3年前だった。

MITとハーバード大学で学んだヒレン氏は、機械学習と画像認識を何年も研究し、その技術を切実に求めている分野に研究成果を応用したいと考えた。

歯科医療は、最初のターゲットではなかったかもしれないが、若き起業家が本気で取り組むべき市場だった。

「誰もが歯医者に行く。そして治療室の中ではレントゲンが主要な診断機器だ」とヒレン氏は言う。「しかし、歯科医療には品質基準がない。3人の歯科医を受診すれば、3種類の意見を言われるかもしれない。

VideaHealth(あるいは競合のPearl)は、同社が開発した機械学習技術を使って歯科医療全般にわたって治療の標準を決めることができるとヒレン氏は言う。これは歯科ビジネスが米国の大部分で大規模なサービス提供者に集約されつつある今、非常に魅力的だ。

Screen Shot 2019 09 16 at 16.33.16 1

画像出典:VideaHealth

歯科医療従事者は,一部の医療専門家(レントゲン技師など)と比べて自動化の恩恵に預かりやすい。歯科医は診療所で複数の役割を担うため、画像認識のような先端技術は治療の効率を高めることが期待され、失業者を生み出すものではない。

「放射線医療ではAIが放射線技師と競合する」とヒレン氏は言う。「歯科医療では歯科医が確実にかつ正確迅速に患部を発見する手助けをする」。

もっと多くの患者を診察し、もっと時間がかかって侵襲的な手法を用いることなく問題を見つけられるようになれば、医者にも患者にとっても有益だとヒレン氏は言う。

ヒレン氏が会社を設立してからまだ1年ほどだが、すでにZetta Venture PartnersやPillar、さらには最近540万ドルのシード資金を投資したMITのDelta Vなど、複数の投資家を引き込んでいる。

すでに同社は、中西部で950箇所以上のの歯科医院を経営するHeartland Dentalなどの組織と提携して共同作業を勧めている。現在社員は7名で、今回の資金は雇用の促進と研究開発に使う予定だ。

Screen Shot 2019 09 25 at 2.53.42 PM

Photo courtesy of VideaHealth

 

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。