欧州でeコマースプラットフォームに対し新型コロナ詐欺対応でデータ共有を促す動き

欧州の議員は、消費者を標的にコロナウイルス詐欺を働く不正な業者と戦うためのツールとして、より多くのデータを互いに共有するよう主要なeコマースおよびメディアプラットフォームに圧力をかけている。

パンデミックが西側に広がった後、インターネットプラットフォームはよくわからない、または疑わしい品質の防護具(未訳記事)や疑わしいコロナウイルス関連のオファーの広告で溢れかえっていた。一部の企業がそのような広告を禁止したにもかかわらずだ。

懸念されるのは、消費者がだまされていることだけではない。喧伝されているようなウイルスへの曝露に対する保護効果がない製品を購入した場合や、本当は効かない偽コロナウイルス「治療薬」が販売された場合に生じる実際の危害のリスクだ。

米国時間11月6日の声明の中で、EUの司法委員であるDidier Reynders(ディディエ・レンデルス)氏は「以前の経験から、詐欺師らはパンデミックを欧州の消費者をだますチャンスとみています。また、主要なオンラインプラットフォームと連携することは、消費者を違法行為から保護するために不可欠であることもわかっています。私は本日、プラットフォームが力を合わせ、相互の情報交換に参加し、対応をさらに強化することを奨励しました。現在欧州を襲っている第2波の間、私たちはさらに迅速に動く必要があります」と述べている。

委員会によるとレンデルス氏は11月6日、Amazon(アマゾン)、Alibaba / AliExpress、eBay、Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト) / BingRakuten、(TechCrunchの親会社である)Verizon Media / Yahooを含む11のオンラインプラットフォームとパンデミックに関連する新しいトレンドと事業慣行について話し合った。新型コロナ詐欺の新たな波に立ち向かうために、ハイテク企業にもっと多くの対策に取り組むよう促した。

EU加盟国の消費者保護当局は2020年3月、この問題に関して共通の立場をとった。それ以来、委員会と消費者保護施策の執行者の汎EUネットワークは、新型コロナウイルス詐欺によってもたらされる脅威へ協調して対応するべく、11のプラットフォームと定期的に連絡をとっている。

委員会はこの行動が、プラットフォームによる「数億件」の違法なオファーや広告の削除についての報告につながったと主張している。また委員会によると、詳細なデータは開示しなかったものの、プラットフォームが新型コロナ関連広告の(委員会の表現では)「着実な減少」を確認した。

欧州ではeコマースプラットフォームでの販売に関する規制が厳しくなりつつある。

EUの議員は2020年12月、既存の電子商取引規制の改定を提案する一連の法律を発表する。違法なコンテンツや危険な製品などの法的責任の拡大を目指す。

EUのデジタルポリシーを率いる委員会のEVPを務めるMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベスタエアー)氏は先週のスピーチ(未訳記事)で、デジタルサービス法(DSA)は違法なコンテンツや危険な製品に関してプラットフォームの責任を重くすることを求めると述べた。その中には、違法なコンテンツに関する報告手続きやコンテンツに関連する苦情処理の統一が含まれている。

同じく12月に発表される2番目の包括法案であるデジタル市場法は、市場で支配的な地位を保持すると考えられるプラットフォーム傘下のサービスに追加の規制を導入する。これには、デジタル市場での競争を促進するために、ライバルによるデータを利用を可能にするという要件が含まれる可能性がある。

欧州議会の議員らはまた、「know your business customer(顧客確認の原則)」をデジタルサービス法に含めるよう求めている(未訳記事)。

委員会はまた、新型コロナ関連の偽情報を取り締まるため、6月(未訳記事)に新型コロナウイルスの「インフォデミック」と表現した内容についてソーシャルメディアプラットフォームに公開するよう求めた。

委員会は11月6日、新型コロナの偽情報と戦うため、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、Twitter(ツイッター)、TikTokが2020年9月にとった措置について最新情報を提供し、3回目となるモニタリングレポートを公開した。域内市場のコミッショナーであるThierry Breton(ティエリー・ブルトン)氏は、その分野でもさらに多くのことを行う必要があると述べた。

「パンデミックに関連する偽情報のウイルス的な拡散は、市民の健康と安全を危険にさらしています。偽情報と効果的に戦うために、今後数週間でオンラインプラットフォームとより強力に協働することが必要です」と同氏は声明で述べた。

プラットフォームは偽情報に関するEUの(法的拘束力のない)行動規範(未訳記事)に署名している。

違法なヘイトスピーチなどのコンテンツへの取り組みに関してプラットフォームを規制する法的拘束力のある透明性ルールは、DSAパッケージの一部に組み込まれているようにみえる(未訳記事)。だが、公衆衛生危機に関する偽情報などの「有害なコンテンツ」のようなあいまいな問題に対する取り組みが、今後どう展開するかはまだ分からない。

偽情報問題に対処する欧州民主主義行動計画(European Democracy Action Plan)も年末までに予定されている。

11月6日の委員会の最新のモニタリングレポートにある発言の中で、価値・透明性担当VPであるVera Jourová(ベラ・ヨウロバー)氏は次のように述べている。「プラットフォームは透明性を高め説明責任を果たすために取り組みを強化しなければなりません。我々はプラットフォームが正しく行動するためにより良いフレームワークを必要としています」。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:eコマース新型コロナウイルスEU

画像クレジット:Aytug Can Sencar/Anadolu Agency / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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