気候問題専門の投資会社Congruent Venturesが約188億円調達、バイデン政権下で勢い

現在直面している気候の緊急事態を回避するためのテクノロジーとサービスを専門とするアーリーステージ投資会社のCongruent Ventures(コングルーエント・ベンチャーズ)が最新のラウンドで1億7500万ドル(約188億円)を調達した。

資産3億ドル(約323億円)を管理する同社はプレシード、シード、シリーズAラウンドの投資にフォーカスしており、Abe Yokell(アベ・ヨーケル)氏とJoshua Posamentier(ジョシュア・ポサメンティエ)氏によって創業された。2人は20年以上にわたって気候分野に投資してきた。

「インフラと気候に熱心な新政権の始動、そして緊急の気候変動をめぐるグローバルの問題への大幅に遅延していた資金の流入で、輸送やエネルギートランジッション、持続可能な生産と消費のための食料・農業などに取り組む36社超にわたるポートフォリオを当社はカバーしています」とヨーケル氏は声明で述べた。

ポートフォリオの企業には、菌糸体を使った肉のメーカーMeati、産直食料マーケットプレイスのMilk Run、効率的な製造のためのソフトウェアを開発しているPicoMES、電動自動走行トロッコのデベロッパーParallel Systems、アルミニウム添加剤メーカーAlloy Enterprises、自動の温室栽培システムを提供するHippo Harvest、ハードプレスされた廃棄物のリサイクルを行う組織の効率を改善するためのリサイクルロボットを展開しているAmp Roboticsなどが含まれる。

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Congruent VenturesはMicrosoftのClimate Innovation Fund(気候イノベーション基金)、Prelude Venturesの系列会社、Jeremy and Hannelore Grantham Environmental Turst、Surdna Foundation、UC Investmentsのような著名なリミテッド・パートナーを抱える。

「つい最近まで、気候と持続可能性にフォーカスしているアーリーステージ資金は完全に不足していました」と共同創業者でマネージングパートナーのポサメンティエ氏は述べた。「当社は起業家が無数の落とし穴を回避するのをサポートできる最も初期の段階で投資し、起業家がたくましい企業に育て、追加の資金を調達するのを手伝います。その結果、世界最大の部門のいくつかにおける最も差し迫っている環境の問題に取り組んでいます」。

Congruentの企業の3分の1はエネルギーや公共インフラに直接取り組んでおり、米政府が提案するインフラ支出法案で莫大な利益を得るかもしれない。その上、Congruentのリミテッドパートナーには管理する資産が7000億ドル(約75兆5156億円)のインフラ投資家が含まれ、そうした投資家はCongruentのポートフォリオ企業によって開発されたテクノロジーの潜在顧客だ、とCongruentは声明で述べた。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Congruent Ventures気候変動持続可能性投資資金調達

画像クレジット:Teerawut Bunsom / EyeEm / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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