気象情報はWazeの次に買収の対象になりそうなクラウドソース・サービス

Wazeが10億ドルでGoogleに買収されたとことは、有用なクラウドソースのデータをリアルタイムで大量に収集することに成功したスタートアップには同様のエグジットの可能性があることを強く印象づけた。

カーナビ用の交通データほどその応用の成果が直接的ではないものの、次に大きな可能性がある分野は気象情報だ。クラウドソースを利用して地上の正確な気象状況をピンポイントで収集し、予報や共有に役立てようとするアプリがすでにいくつか存在する。

カナダのモントリオールのスタートアップ、SkyMotionもその一つだ。最近v4.0がリリースされたが、このバージョンではクラウドソースで気象情報が共有できるだけでなく、その情報を企業が利用できるAPIもサポートされた。企業はSkyMotionのユーザーが投稿する気象データをリアルタイムで自社のアプリやウェブサイトなどで利用できる。通常の気象情報が特定の観測地点から情報だけをベースにしているのと異なり、多数のSkyMotionユーザーからのリアルタイムの天気情報には大きな価値がある。

SkyMotionによれば20万人のユーザーが天気情報を投稿している。アプリをダウンロードしたユーザーの50%以上が実際にアプリを使い始め、65%のユーザーが月間15回から200回も天気を投稿する。現在アプリのダウンロード総数は50万回弱で、このペースなら今年中に100ダウンロードが達成できそうだという。

クラウド気象サービスに挑戦しているのはSkyMotionだけではない。ポルトガルのスタートアップが提供するWeddarもクラウドソースの気象サービスだが、人間的な要素を取り入れているところがユニークだ。Weddarでは下のスクリーンショットのように天気を「凍える、涼しい、ちょうどよい」などと感覚で報告する。アプリを開くとヨーロッパ各地の現在の天候が一目でわかる。

クラウドソースの気象情報には大手のインターネット企業も強い関心を示している。天気予報はそれ自体で訪問者に対するサービスになるだけでなく、地図や交通状況など他のローカル情報と組み合わせることである特定の地点の正確な環境をリアルタイムで特定できる。これにはショッピングや広告の価値を大きく改善する役割が期待できる。天気は一般消費者の消費パターンに大きな影響を与えるし、したかがってマーケティング、広告にも本質的に関連してくるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+