水産業者間の流通をスマホで変革、広島発ポータブルが1.2億円を調達

水産業者間のマーケットプレイス「UUUO(ウーオ)」を開発するポータブルは2月15日、インキュベイトファンド、IF Lifetime Ventures、広島ベンチャーキャピタル、とっとりキャピタルを引受先とする第三者割当増資による総額1.2億円円の資金調達を実施したことを明らかにした。

調達は2017年8月から2018年2月にかけて行っていて、シードラウンドおよびプレシリーズAラウンドにあたるものだという。またインキュベイトファンドの代表パートナーである村田祐介氏が同社の社外取締役に就任したことも明かしている。

ポータブルが開発するUUUOは「スマホでつながる水産市場 」をコンセプトとした、産地と中央市場の水産事業者をつなぐプラットフォームだ。

出品時に必要なのはスマートフォンやタブレットで写真を撮って特徴を入力することだけ。サイズや魚種などはタブで選択することがほとんどで、作業に大きな手間がかからないことが特徴だ。購入時も数量を入力し、購入ボタンを押すだけで完了する。

また今後は購入者側の事業者が魚種や価格、サイズや産地など欲しい水産物の条件をリクエストできるようになる機能も追加する予定だという。

ポータブルは広島発の水産系スタートップで、2016年7月の創業。創業者で代表取締役の板倉一智氏は、松葉がにの産地として有名な「網代港」がある鳥取県岩美町の出身。親族や知人には漁業従事者も多く、この業界になじみがあったという。地元漁船の減少やセリの衰退など水産業の現状を知り、水産市場流通の活性化を目指すためにUUUO(旧サービス名:Portable)を立ち上げた。

同社は2017年5月にKDDI ∞LABO Demo Day 地方選抜企業に選出。同年8月にはインキュベイトキャンプ10thにも採択されている。

今回調達した資金で開発・営業面の人材採用を強化するほか、鳥取市に自社出荷拠点となるUUUO Base(ウーオベース)の開設を進め、サービスの拡充を図る。

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TechCrunch Japan

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