決算発表後にPayPalの株価が2%上昇、Visaとのパートナーシップが好材料に

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木曜日の株式市場が閉じた後、PayPalは決算発表を行った。アナリストによる今四半期の予測収益が26億ドルだったが、実際には26億5000万ドルだった。調整後株当たり利益は、ウォール街の予想値である36セントと同等だった。

株価は時間外取引で2%上昇した。その1つの要因として決算発表と同時にVisaとの発表があったからだ。Visaとの新しいパートナーシップでは提携を深め、カスタマーがPayPalのアカウントから銀行口座に資金をVisaのデビットカードで簡単に動かせるようにする。このパートナシップではさらに、Visaの非接触決済取引を導入する販売店でPayPalのデジタル・ウォレット決済を受け付けることができるようになるということでもある。

「Visaとの提携で私たちの機能を拡張し、コンシューマーや店舗は新しい文脈で私たちのサービスを活用することができるようになります。そして、さらなるパートナーシップの基盤にもなります」とPayPalのCEOであるDan Schulmanと声明で伝えた。

PayPalのプロダクトのグローバルヘッドであるSVPであるBill Readyは「カスタマーがどこでも、どのようにでも支払うことができるようにすること」が目標だという。Visaとは「障壁の少ないコマース体験を作るために協力します」という。

PayPalは、年間の収益予想を100億7500万ドルから100億8500万ドルの範囲に上方修正した。彼らは今年度の調整後株当たり利益を1.47ドルから1.50ドルに見込んでいるという。

PayPalは前四半期800万の普通株を買い戻すことで、3億ドルを株主に返した。

投資家は、PayPalがVenmoのビジネスのマネタイズに成功するかどうかを気にしている。Venmoはミレニアル世代に人気のモバイルで使えるピア・ツー・ピアの支払いシステムで、同社はその決済ごとに課金はしていない。Venmoは今四半期、39億ドルの支払いを処理した。しかし、収益の配分までは開示していない。

Venmoは最近、店舗支払いを導入した。店舗はPayPalに取引毎に僅かな割合を支払うことで、「Venmoによる支払い」の選択肢をカスタマーに提供することができる。

PayPalの最大のビジネスはBraintreeだ。BraintreeはUberからAirbnbまでホワイトレーベルでモバイル決済ソリューションを提供している。Braintreeは盤石なクライアントリストを獲得し、モバイル決済分野で一大勢力になりつつある。

PayPalの株価は、1年前にeBayからスピンオフした時から13%上昇している。同社の時価総額は490億ドルだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

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TechCrunch Japan

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