流入データの健全性をチェックするMonte Carloが約26億円を調達

企業のデータ流入の監視をサポートしているスタートアップMonte Carlo(モンテカルロ)は米国時間2月9日、2500万ドル(約26億円)のシリーズBラウンドをクローズしたと発表した。

GGVRedpointが共同でリードした本ラウンドの数カ月前の2020年9月、同社はシリーズAで1500万ドル(約16億円)を調達したばかりだ。シリーズAとシードのディールはシリーズBにも参加したAccelがリードした。

今回のラウンドが注意を引いたのは、前ラウンドからそれほど時間が経っていなかったからだけでなく、筆者はMonte Carloの専門であるデータの可観測性が何を意味するのかまったく知らなかったからだ。

そこでTechCrunchはMonte Carloの共同創業者でCEOのBarr Moses(バー・モーゼ)氏に電話し、業界について、そして同社がいかにしてそれほど早く多くの資金を引きつけることができたのか尋ねた。

データ流入

ビッグデータは少し前は混み合っていたが、広い意味でのデータパズルの1ピースにすぎなくなった。我々はこの証拠をDatabricksの最近の売上高成長に見ることができる。同社は企業データ上でのアナリスティックとAIサービスを構築することで2020年にARR(年間経常収支)が4億2500万ドル(約444億円)に達した

Monte Carloはデータのライフサイクルの初期に関わることで、データ分野で別の賭けをしている。こんな風に考えてほしい。Snowflakeはあなたのデータすべてを保存でき、Databricksはあなたが分析するのを手伝うことができる。しかしあなたのリポジトリに流入してくるデータを確かめるのはどうか?

データ流入が無意味なものではなく。健全かどうかを確かめるというのがMonte Carloが行っていることだ。

モーゼ氏によると、企業は現在、無数のデータソースを持っている。理論的にはそれはすばらしく、通常であればデータが多いことは良いことだ。しかしそうしたソースの1つか2つがおかしくなれば、悪い情報を収集・保存・分析する前にその事実を把握することは極めて重要となる。

なのでMonte Carloはこのところホットなデータ企業よりも上流に構え、あなたのデータレイクに実際にたどり着くものが合法かを確かめるために数多くのパラメーターのインバウンドデータソースを管理する。

同社はデータの鮮度(どれくらい直近のものか、あるいは古いものか)、ボリューム(少なすぎ、あるいは多すぎ)、スキーマ(データの構造そのもの。問題となりそう、あるいは下流のサービスを破壊しうるものに変えていないかをみる)、ディストリビューション(データポイントがたとえば1桁から数百万に急増していないか)、系統をチェックすることでデータ流入のブレークポイントを発見するのを手伝うことができる。

Monte Carloは標準ではないデータ流入が何なのかを突き止めるのに企業の特定のデータパイプから学習していると聞き、筆者は同社のソフトウェアをセットアップして動かすのにどれくらいの時間がかかるのか興味を持った。モーゼ氏によるとそう長くはかからず、多くの場合セットアップに1時間、学習するのに1週間とのことだ。

成長分野

Monte Carloのプロダクトは、それだけで我々の注意を引くに足るほど見事なものだ。しかし、より広範なデータスペースの拡大にうまく適合していること、特にストレージに直接関係のないデータツールを使用していることは、検討する価値がある。

2500万ドルを手にし、Monte Carloは現在25人のスタッフを増やし、ミッドマーケットと法人顧客をターゲットにして積極展開できる。同社がどれくらいすばやくスケール展開できるか、そしていつ成長の数字を目にするか、楽しみだ。

カテゴリー:セキュリティ
タグ:Monte Carlo資金調達

画像クレジット:baranozdemir / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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