消費者に直接(病院の下請け検査屋でなく)本人の遺伝子情報を提供する23andMe, ファウンダがSXSWで語る

消費者に対して直接、その人の遺伝特質を検査してくれることでよく知られている23andMeのファウンダAnne Wojcickiが、先週末テキサス州オースチンで行われたSXSWの対話集会に出席して、一般大衆に自分の保険医療データを提供することの持つポジティブな将来性と、危険性などネガティブな側面について語った。

“消費者の立場が今よりも強くなれば、自分の健康に今よりももっと責任を持てるようになるだろう”、とWojcickiは、集会のあとで行ったインタビュー(上のビデオ)で述べた。消費者の情報アクセスが拡大すれば、肥満になりやすい遺伝子構造だとか、そのほか、事前に防げる疾病について知ることができ、早めに予防的生活に取り組み、疾病の発生を減らすことができる。Wojcickiはこの点に関してきわめて楽観的だ。

しかし、国の規制当局は、23andMeの簡略な検査が消費者を無責任な行動に導くことをおそれ、同社が消費者に具体的な健康情報を提供することを禁じた。とくに問題とされたのは、“癌になりやすいことを示す遺伝子がある”、といった情報だ*。FDAのこの要請以来同社は、昨年11月以降、それまで提供してきた保険医療情報の多くを、提供しなくなった。〔*: とくに問題とされたのは、女性の“乳房切除強迫”。〕

“規制は必要だ、と私も思う。がまの膏(あぶら)企業は、摘発しなければならない”、と彼女も認める。ただし、責任あるやり方で遺伝情報を提供している企業からのデータには、消費者はアクセスできるべきだ、という点に関しては、彼女は一歩も譲らない。

そのほか、遺伝情報の未来、理性的でない消費者の危険性、保険医療ビジネスにおけるトレンド、といった話題について彼女は上のビデオで語っている。

〔訳注: これまで23andMeは、ファウンダがGoogleの協同ファウンダSergey Brinの奥さんであるという文脈でメディアに取り上げられることが、あまりにも多かった。これからは、このビデオで語られているような、より本質的な文脈で登場する機会が多くなるだろう。一読者として、それを期待したい。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。