消費者ブランドの顧客データ有効利用を助けるDaasityが約17.1億円調達

Daasityの共同創業者Sean Corson(ショーン・コーソン)氏とDan LeBlanc(ダン・ルブラン)氏(画像クレジット:Charmaine Gray Photography)

eコマースの分析とデータ収集を行うDaasityは、消費者ブランドが顧客データをより賢く活用するためのアプローチを開発し続ける中で、シリーズAで1500万ドル(約17億1000万円)の資金を調達した。

この、出資者数が予定を超えたラウンドをリードしたのはVMG Catalystで、他にCove FundやExeter Capital、1855 Capital、Mooring Ventures、Okapi Venture Capital、そしてSerra Venturesらが参加した。これで同社の総調達額は2070万ドル(約23億6000万円)になる、とCEOのDan LeBlanc(ダン・ルブラン)氏はいう。

ブランドは同社の技術を利用して、Shopify、Amazon、Facebook、Klaviyoなどなどから自分に関連したデータを取り込んで分析し、その結果をマーケティングのチャネルに押し込み、これまでのパフォーマンスの履歴から得られる洞察に基づいて、消費者体験の最適化を図る。

ルブラン氏によると「消費者製品のブランドが現在ほど多いときは過去にありません。そのため競合は慢性的に激しくなっています。ブランドは、迅速で確実性の高い意思決定に導く正しいデータにアクセスすれば勝利できます。データの需要もかつてないほど高いため、私たちはデータのインフラストラクチャに投資して、ブランドが彼らの必要とするデータにアクセスできるようにしています」という。

Daasityは現在、ManscapedやVuori、Caraway Homeといった1600を超えるブランドを扱っており、2021年は経常収益が前年比で300%増え、従業員数は倍増した。

今回の資金で従業員数をさらに増やし、2022年末までに160%の増員になるという。また同社は、良好なデータアクセスとデータソース、および、分析結果により良い洞察を込められるための教育リソースのための技術開発にも投資している。今後は、より個人化された顧客データにも取り組む計画だ。

今後、同社はブランドがデータインフラストラクチャの各部位を自由に構成できるようにして、彼らのデータインフラストラクチャをモジュール状にしたいという。構成アイテムのピックアップは、メニューから料理を選ぶような簡便なやり方で、新しいデータソースやウェアハウジングのオプション、デジタルトランスフォーメーション、そして視覚化ツールなど、およそ35の新しい統合を加えていく。

VMG CatalystのパートナーであるBrooke Kiley(ブルック・カイリー)氏の声明文によると「同社が成長の次の段階に入っていくときに、ダンとDaasityのチームとのパートナーシップを継続できることはすばらしいことです。私たちは、データの有効利用がブランドにとって一貫して難しい、という状況を毎日のように見ていますが、そのニーズもかつてないほど大きくなっています。今日の競争の激しいeコマース環境では、データ利用の成功の鍵になっています。Daasityはデータをすべてのブランドにとってアクセス可能なものにし、彼らを行動に結びつくような洞察で強くして、彼らのマーケティングチャネルを必要不可欠な顧客データでより豊かにしています」という。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

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