無料オンライン学習スタートアップのCodecademyが、有料のProコースの提供を開始

Codecademyは、コード作成の基礎をユーザーに教えることを目的とした無料のオンラインレッスンで、数年にわたり学習者たちの大きなコミュニティを構築してきた。だが、いまや多くの利用者たちが、より集中的なコースに喜んでお金を払ってくれることに賭けようとしている。

Codecademyの創業者でCEOのZach Simsが、2011年にこの会社を設立したときに考えていたのは、プログラミングに興味を持っている多くの人びとが、始めるために必要な教育コンテンツにアクセスできるようにしたいということだった。

Codecademyがその当時採用したアプローチは、ほとんどの人たちがコードを書く方法を学んでいたやり方とは異なるものだった。大学の講義や、初期のほとんどのオンラインチュートリアルとは異なり、Codecademyのコースは実践を通した学習を中心に構築されていた。これは、ユーザーのブラウザの中にターミナルを開いて、エンジニアが実際に開発環境の中で行なうやり方と同じ方法で、操作ができるようするというものだった。

以来、Codecademyの学習者のユーザーベースは4500万人以上に拡大した。その多くは、基礎を教えるようにデザインされた、数十のコースや数百時間の無料コンテンツに引き寄せられてきた人びとだ。

もちろん、永遠に無料で残ることができるものはない。そこでCodecademyは本日(米国時間8月3日)有料のProバージョンをプロダクトに加えた。そこではより集中的なコースを提供し、以前よりも充実したメンタリングを提供する。

Simsによれば、有料のプロダクトを開始するための原動力の一部は、数年前に資金調達を目指していた際に、同社が直面したVCからの逆風に起因していることを認めている。「2015年までは、私たちは利用者に完全に無料で、可能な限り大きく成長することに対して集中していました」とSims氏は電話で答えた。

その時の経験で、Codecademyは、ユーザーが支払いに興味を持つようなものを考え出す必要があると判断した。それ以来、同社は密かにカリキュラムを構築し、最も魅力的なレッスンと有料プロダクトのための最善の価格帯を見出すために、ユーザーとテストを重ねてきた。

その結果生まれたのがCodecademy Proだ、これは異なるニーズを持つ生徒のグループに対応するために3つのレベル(Tier)に分かれている。

最低価格のPro Tierは月額19.99ドルで、ユーザーが進捗状況を追跡し、プロフェッショナル・アドバイザーからのライブサポートを受けることができるようにデザインされた個人学習計画を提供する。また無料のCodecademyユーザーには提供されない、実力確認クイズやプロジェクトなどのコンテンツも提供される。

Codecademy Pro Intensiveは、より構造化された8-10週間のプログラムを提供する。ここには実際の開発プロジェクトが含まれ、プロフェッショナルな開発者と同じツールを使用して開発することを求められる、各コースの費用は199ドルで、最初からウェブサイトを構築したり、フロントエンドアプリケーションを作成したりするなどの、自分のキャリアを進歩させるための特定のスキルを習得したいユーザーを対象としている。

またさらに500ドルで、ユーザーはPro Intensiveのものと同じ特典と素材をすべて含むCodecademy Pro Mentorにサインアップができ、毎週メンターと30分間のライブビデオセッションを行なうことができる。

新しい有料サービスは今公開が始まったところだが、既に広範にテストされて来ている。このテストには、純粋に内部の電子メールによって募集された、2万人を超えるCodecademyユーザーが参加していた。これまでに、限定ベータ版では、600万ドルの収益が得られているが、これがすべてのユーザーに公開されことで、大きく増加するものと会社側は予測している。

このことは、これまでにCodecademyに4300万ドルを投じた投資家たちにとって良い知らせだ。これには昨夏にNapsterの主導で行われた30万ドルの調達ラウンドも含まれている。このラウンドには従来からの投資家たちであるUnion Square Ventures、Flybridge Capital Partners、Index Ventures、そしてリチャード・ブランソン氏も含まれていた。

プロプロダクトの開始により、ほどなくCodecademyは、より多くの収益を得て、今後さらに価値のあるものになるだろう。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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