無駄な在庫が激減、ファッション業界向けのキャンセル待ちと予約注文のプラットフォーム英Purple Dotが4.6億円調達

ファッション業界は予測が難しいため、ファッションブランドは製品の需要を当てずっぽうで見積もることが少なくない。需要の予測が外れれば無駄な在庫を抱えることになる。衣服は最終的に焼却処分されることが多く、環境に影響を与える。英スタートアップのPurple Dotは、eコマースの「キャンセル待ちと予約注文」プラットフォームで、ファッションブランドは注文を受けた分だけを製造できるので結果として無駄が減る。

Purple Dotは、米国を拠点とするUnusual Venturesが主導したアーリーステージのラウンドで400万ドル(約4億6000万円)を調達した。以前に投資していたConnect VenturesとMoxxie Ventures、そしてIndeedの共同創業者であるPaul Forster(ポール・フォースター)氏のファミリーオフィスも参加した。

2019年に起業家のMadeline Parra(マデリーン・パーラ)氏とJohn Talbott(ジョン・タルボット)氏がPurple Dotを創業した。Purple Dotはeコマース企業が「売上を最大化するやり方で在庫を早く販売し、ブランドロイヤルティを構築し、需要のデータを早期に得る」プラットフォームだと同社は説明する。同社のキャンセル待ちソリューションを利用すれば、在庫を倉庫に入れる前に販売できる。同社はこうしたことが可能な、市場で唯一のソリューションであるとしている。

Purple Dotの共同創業者でCEOのマデリーン・パーラ氏は次のように述べた。「早い段階での販売は、ブランドが売上を獲得する上でまったく新しい世界を開きます。販売用の在庫を倉庫に置く必要があるというのがこれまでの考え方やテクノロジーでした。しかしPurple Dotを利用すると、販売と出荷を非同期にできるため常に販売できます。これは我々のブランドパートナーにとって驚きの瞬間です。早期販売の戦略を成功させるには、適切なカスタマーエクスペリエンスと社内運用を実現する専用のアプローチが必要です」。

Unusual Venturesの投資家であるRachel Star(レイチェル・スター)氏は次のように述べた。「Purple Dotは単なるeコマース支援ではありません。サプライチェーンの管理とブランドの販売方法を変革しつつあります。予約注文とキャンセル待ちがオンラインショッピングのこれからの形になると我々は考えています」。

画像クレジット:Purple Dotのマデリーン・パーラ氏(CEO)とジョン・タルボット氏(CTO)

原文へ

(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。