物流アウトソーシングのオープンロジが2.1億円の資金調達、海外展開も視野に

左からオープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏、取締役CTOの五十嵐正人氏

左からオープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏、取締役CTOの五十嵐正人氏

ロジスティクスのアウトソーシングサービス「オープンロジ」を運営するオープンロジ。同社は5月24日、IMJ Investment Partners(IMJIP)、SMBCベンチャーキャピタル、インフィニティ・ベンチャーズLLPなどから総額2億1000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。また今回の資金調達に伴い、IMJIPの岡洋氏が同社の社外取締役に就任する。オープンロジでは調達した資金をもとに人材採用や経営基盤の強化を進める。また東南アジアを中心とした海外事業展開も視野に入れる。

オープンロジは2014年10月にサービスを開始した。一般的な物流倉庫では、見積もりを行い、そのあとで業種業態ごとに「坪単価いくら」という価格設定をしている。スペースを借り上げる設定のため大規模事業者でないと利用が難しい。そこでオープンロジでは物流倉庫会社と提携。「アイテム1つ単位いくら」というシンプルな価格設定と、オンラインでの管理機能を提供することで、中小規模のEC事業者や個人が倉庫を手軽に利用できるサービスを展開してきた。

直近の状況についてオープンロジ代表取締役の伊藤秀嗣氏に聞いたところ、中小規模のEC事業者やフリマアプリやオークション利用の個人などが多く利用するだけでなく、大規模EC事業者の利用、商品サンプルの発送、イベント用資材の搬入搬出、店舗の棚・什器の保管など幅広いニーズがあるという。

「評価されているポイントは3つ。費用が分かりやすく安い、またオンラインで倉庫内のアイテムを管理できる使い勝手、小ロットでも対応する柔軟性だ。ユーザーの継続率は90%に上る。また、想定以上に大規模なユーザーからの問い合わせを頂いている。そのニーズは単に倉庫スペースが欲しいと言うことだけでなく、現状利用している受注管理の業務システムの課題を解決をしたいというものもある。今後はそういった企業に向けたエンタープライズ向けプランも用意する」(伊藤氏)

パートナーとなる物流倉庫会社も拡大しているそうだ。倉庫側の業務システムも提供し、さらに送客も行う点が評価された。現在毎月1社のペースでパートナーが増えているのだという。

同社は今後、東南アジアを中心に海外展開も視野に入れる。

「海外の事業者が日本でビジネスをしたいときにもロジが必要。日本の事業者が海外でビジネスをしたい場合も同じだ。オープンロジであれば、在庫確認をオンラインでリアルタイムに行い、自国にいながら海外の物流オペレーションが実現できるようにもなる。来年以降は積極的に進出していきたい」(伊藤氏)

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TechCrunch Japan

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