物理的なボタンでインターネット上のサービスを呼び出すbttn、小型版を市場投入(長押しもサポート)

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インターネットに繋がる「ボタン」を作っているbttnが、「デジタルサービス用プッシュボタン」(push-to-activate-a-digital service)の小型版をリリースした。

btnのコンセプトはシンプルだ。ボタンデバイスを家庭や職場の好きな場所に置き、何らかのデジタルアクションを始動するようにしておくのだ。たとえばタクシーを呼び出したり、「家に帰り着いたよ」など事前に用意しておいたメッセージを発信するようなこともできる。

何のトリガーにするのかは自在に決めることができる。これにより利用者はアプリケーションを操作することなく、ボタン一発で目的の操作を行うことができるようになるのだ。

新しいデバイスはbttn Miniと名付けられている。サイズが最初のもの(2014年5月にプレオーダーの受付を開始した)の半分ほどとなっている。またボタンを単純に押すだけでなく、長押しもサポートするようになった。これによりプッシュ操作の確認ないしキャンセルを行うことができるようになっている。

フィンランドに拠点をおくbttnは、クラウドファンディング・キャンペーンにも成功している。小規模ビジネスの現場で大いに受け入れられることとなり、利用する顧客の間からキャンセルないし確認の意味を持つ長押しをサポートして欲しいという声が上がってきたのだそうだ。

新たにサポートされるようになった長押しだが、ファームウェアのアップデートを行えば、以前のbttnでも動作するようになる。

これまでに出荷した細かな台数についての情報はもらえなかった。「1万台以上で10万台未満」だそうだ(販売開始から2年たち、顧客が世界中100カ国以上にいるわりにはあまり売れていないと見ることもできるのかもしれない)。

一般消費者向けのbttnは€69となっている。特定ブランド向けに用意するbttnは€99だ。またビジネス用に台数およびサービスの利用期間に応じて価格が決まるメニューも用意している。

フランスの最大手タクシー運行サービス会社であるLes Taxis Bleusもbttnを利用しているのだとのこと。レストランやホテル、ブティックなどに配備してタクシーの呼び出しを行えるようにしているそうだ。顧客の集まるところにサービスを持ち込むスタイルで運営しているわけだ(こうしたアイデアの中にUberなどと戦うアイデアが眠っているのかもしれない)。

また不動産関連管理サービスを提供するSamsicも導入しているそうで、オフィスやビルなどからオンサイトサービスやサポートをリクエストするのにbttnを使っているのだとのこと。

また、オンラインセールスを行うサービスでは「再オーダー」用のボタンとして活用する例もあるそうだ。言うまでもなく、これはAmazonのDashボタンと同様に動作する(もしかすると、このあたりに小さなEコマースサービスがアマゾンという巨人に対抗するヒントがあるかもしれない…)。

bttn Miniのインターネット接続オプションは3種類が用意されている。すなわちモバイル通信(2G GPRS2G GPRS)、SIGFOX、およびWi-Fiだ。まずはモバイル版を先行させ、Wi-Fi版を6月中に、そしてSIGFOX版をQ3にリリースしたい考えだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

投稿者:

TechCrunch Japan

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