物言う株主はTwitterの収益力強化のために経営刷新を要求

ニューヨークのアクティビスト投資企業Elliott Management(EM)がある企業に目をつけるときは、通常、その企業が期待以下の業績で、ポテンシャルのほとんどが眠ったままであることを意味している。米国時間2月28日のロイターの記事は、同社がTwitterの株を大量に買って取締役会の椅子を狙っている、と報じている。

複数の情報筋がこの情報を確認し、購入した株式は総株数の4〜5%の範囲だ、としている。同社は3名ないし4名の取締役の座を得て、すでに報道されているJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏に代わるCEOの任命をはじめ、大きな変化を要求するものと見られる。

その情報筋の説では、まずドーシー氏はSquareをはじめとして副業が多すぎるし、他にも暗号通貨やアフリカへの関心が大きくなっているため、Twitterには彼に代わってフルタイムで専門職の最高経営責任者が必要であるという。ただしドーシー氏を完全に下ろすというのではなく、もし彼が他のプロジェクトを捨てるなら、EMは喜んで彼をつなぎとめるとのことだ。

また同社は、プロダクトマネージャーのような重要なポジションの役員交代がコンスタントに行われていることを懸念しており、安定させたいと考えている言われている。Elliotのターゲットがどれもそうであるように、Twitterの業績もずっと低空飛行だが、現在よりも大きな収益を得るポテンシャルは十分にある。

過去にもそうであったように、ある時点でElliotは、同社が見出した問題の概要を記した公開書簡を株主たちと共有し、その中でより安定高収益な未来への道筋を示すだろう。同様の書簡を同社は2019年にはeBayに送り、計画の実行を近く開始すると発表した。Twitterの場合も同じパターンになると見てよいだろう。

この動きを、Elliotの創業者で代表でもあるPaul Singer(ポール・シンガー)氏の政治姿勢との関連で見ないわけにはいかない。しかし彼は共和党の有力なスポンサーだが、今回は金が目的であり政治は関係ないと情報筋は言う。

情報筋の説によると、このファンドは年金基金や慈善団体の基金など、多数の投資家を管理している。そういう団体には受託者責任というものがあり、したがって投資の意思決定に政治が入り込むことは、ある情報筋の言葉では「ばかばかしい」ことだという。しかしTwitter上では先週末から、シンガー氏の政治的な動きだという声が多い。

いずれにせよTwitterには大きな変化が訪れて、その波はユーザー体験や新製品、そして広告の増加にも反映されるだろう。ドーシー氏に代わる新しいボスは、このプラットホームが持つ財務的ポテンシャルを解き放つだろう。

本記事を書いている米国時間3月2日の時点でTwitterの株価は、このニュースの影響で8%あまりも上がった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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