狙いはSNS離れの若年層、ミクシィがスナップチャット風アプリ「muuk」公開

ミクシィは3日、自分の表情をセットにした写真を友だち同士で共有できるメッセンジャーアプリ「muuk(ムーク)」を発表した。iOS版Android版がダウンロードできる。米国でティーンに人気のSnapchat(スナップチャット)と同様に、共有した写真が短時間で消滅するのが特徴。ミクシィとしては、SNS「mixi」離れが進む10〜20代前半の女性を取り込みたい考えだ。スマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」やM&Aで取得した結婚支援事業は好調に推移している同社だが、muukが若年層にリーチするための起爆剤になれるか注目だ。

写真は閲覧後すぐに削除されるため、仲間内だけの変顔や悪ふざけの写真を気軽に送ることもできそうだ。Snapchatは10秒以内の指定した時間で写真が消滅するのに対して、muukは3秒のみとなっている。日本でもブームになりつつあるFrontbackのように、写真にはスマホの前面カメラで撮影した自撮り画像が添えられるので、絵文字やスタンプと比べて、豊富な感情表現ができるのだとか。写真には32文字以内のテキストも入力可能。

mixiのIDと連携せず、利用する際にはLINEまたはTwitterで友だちにmuukのIDを通知する。写真はソーシャルメディアには投稿されず、muukでつながった数人のグループだけで共有する仕組みだ。簡単に写真をやりとりできるようにするために、画像を加工したり、閲覧可能な時間を選ぶ機能などはあえて入れず、シンプルかつミニマムであることを意識したと、muukのディレクターを担当する大崎敦士氏は語っている。

アプリの開発段階では、約60人の女子高生や女子大生にテストを実施。そこでわかったのは、彼女たちが大勢とつながる欲がなく、親しい仲間と無意味かつ無目的な写真をやりとししたがっていることだった。muukのプロデューサーを務めるミクシィ取締役の川崎裕一氏は、「若い女性ユーザーがmixiを離れているのは事実。そうした世代への提案として、親しい仲間同士の日常を補完するような会話の手段を提供したい」と話している。

今後は女子大生に人気のモデルをプロモーションに活用するなどして、100万ユーザー到達を目指す。4月以降はアジアを中心に海外展開を開始する。ちなみに、アプリ名は「無垢」から転じてmuukとなっている。素の自分を伝え合うために、自分の心の殻を「剥く」という意味も込められているのだという。

ミクシィの大崎敦士氏(左)と川崎裕一氏(右)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。