現代自動車が独自の半導体チップ開発を計画、世界的不足対策で

Hyundai Motor(現代自動車)のグローバルCOOであるJosé Munoz(ホセ・ムニョス)氏によると、同社は半導体メーカーへの依存度を下げるため、独自の半導体チップ開発計画を発表する。

パンデミックの影響で自動車の販売台数が減少し、自動車メーカーは一時、受注を停止した。同時期に、電子機器メーカーは、ノートパソコンやゲーム機などの需要増に対応するために生産を拡大しており、チップを買い漁っていた。消費者が再び自動車購入に向かうと、自動車メーカーは世界的な半導体不足に見舞われ、Tesla(テスラ)とトヨタを除くほとんどのOEMメーカーが生産ラインを休止し、自動車販売の低迷を招いた。また、ほとんどの自動車メーカーが電気自動車への移行を積極的に計画しているため、チップの必要性がかつてないほど高まっている。現代自動車以外では、TeslaGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)が自社でチップを生産し、中間業者を排除する計画を発表した。

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ロイター通信によると、現代自動車の前四半期の販売はそれほど苦戦しなかったものの、ムニョス氏は「最も厳しい月」は8月と9月だったという。同社は2021年、複数の工場で一時的な閉鎖に追い込まれたが、同氏は、Intel(インテル)が生産能力拡大に向けた大規模な投資を行ったため、チップ不足の最悪の事態を脱したと述べた。

だが、同氏は記者団に対し、現代自動車は再び半導体供給不足に直面することを望んでおらず、この分野で自給能力を高める必要があると述べた。同氏は、チップの自社開発には多大な時間と投資が必要であることを認めた上で、これは「我々が取り組んでいること」であり、おそらく現代自動車の部品関連会社であるHyundai Mobis(現代モービス)と共同で取り組むことになるだろうと述べた。

「供給を確保できるかどうかが、今後の業界再編・統合を生き抜き、成功するOEM企業の特徴になるかもしれません」とソフトウェア開発会社Real-Time Innovationsのコマーシャルマーケット担当シニア・マーケット・ディベロップメント・ディレクターであるBob Leigh(ボブ・リー)氏はTechCrunchの取材に対して述べた。「OEM企業が供給を確保できる企業を買収したり、そうした企業と提携する可能性は高くなりそうです。しかし、供給不足により、業界はより経済的に生産できる新しいチップ技術を採用するようになるでしょう。チップメーカーは、自動車メーカーが求めるような従来のチップを作りたがらないのです」。

リー氏はまた、多くの自動車メーカーがチップの自社開発へと進むだろうが、専門知識がないため実現可能とは限らず、規模も大きくならないと考えている。

ムニョス氏は、現代自動車が自社で半導体を生産しないとしても、2022年に米国で電気自動車を製造する予定は変わらず、アラバマ工場を強化して生産能力を高める計画もあると話す。Hyundai Motor North America(現代自動車ノースアメリカ)の社長でもある同氏は、米政府から提案を受けた4500ドル(約51万円)の電気自動車税額控除の優遇措置を、労働組合がある工場だけでなく、ない工場で生産された車にも適用するよう働きかけた。現代自動車の米国工場以外では、Rivian(リビアン)、Tesla、トヨタ自動車の工場が組合に加入していない。

画像クレジット:DIRK WAEM/AFP / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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