生鮮食品宅配のBlue Apronは四半期決算発表後、株価急降下

今日(米国時間8/10)、Blue Apronは第2四半期の決算を発表した(上場後最初の決算発表)が、その内容に株価は急降下した。同社の決算の数値は市場の期待と大きく食い違うちぐはぐなものだったため、株価を14%以上下落させた。

Blue Apronは支出を押さえるためにマーケティング費用の削減を試みているが、その結果は大幅な顧客の減少をもたらした。Bleu Apronは初期段階では多少の利益を出していたが、その後顧客獲得のためのマーケティングに巨額の支出を行っていた。

しかしこうして獲得した新規顧客をつなぎとめ、実際に食品を購入させる方策がすぐに問題となった。今期、Blue Apronは顧客ベースの健全化にやや成功し、生鮮食品の購入はややや増えている。しかしマーケティングを削減する中で顧客数の拡大を続けられるかどうはは依然不透明だ。同社は今期、2億3810万ドルの売上に対して1株あたり利益が0.47ドルの損失を報告した。ウォールストリートのアナリストは2億3580万ドルの売上と0.30ドルの損失を予測していた。

以下が株価の推移のグラフだ。

つまり、マーケティング費用を絞った結果、売上は予測を上回ったものの1株あたり利益では損失が拡大するという結果となった。Business Insiderによれば、同社は電話記者会見で今年下半期の見通しを1億2100万ドルから1億2800万ドルの損失となるだろうと予測したという。電話記者会見の内容については現在TechCrunchでも精査中だが、こうした否定的な見通しがBlue Apronのような新規上場企業の株価に悪影響を与えることは間違いない。現在市場ではSnapchatを運営するSnapの株価が低迷し、テクノロジー企業の上場への意欲が減退しているとも噂されている。

下半期のBlue Apronには数多くの難題が待ち受けていそうだが、その中でもAmazonという巨人が落とす影は大きい。しばらく前からAmazonが生鮮食品宅配サービスに乗り出そうとしている情報が流れており、これが株価を押し下げる要因の一つになっている。Blue Apronは1株当たり10ドルで新規上場を果たしたものの、株価は今や半値に下がっている。

しかしテクノロジー企業の上場がまったくストップするということではない。Dropboxは上場に向かってさらに一歩を進めたようだ。またTechCrunch は サブスクリプション・ベースのアパレル通販のStitch Fixが密かに上場申請を行っていたことを報じている。

画像: Michael Nagle/Bloomberg via Getty Images

〔日本版〕Google Financeによれば日本時間8/11朝のBlue Apronの株価は5.14ドル。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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