禁酒スタートアップの序盤戦

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みなさんこんにちは!今日は、シンプルな料理にこだわった。私たちの持ち場の、肉とポテト、豆のプロテインとグルテンフリーのデンプン。すなわちスタートアップの活動だ。ということで今回は、私たちがとてもすばらしいと思うスタートアップのニュースをご紹介する。

個人的な話で恐縮だが、私はお酒とは複雑な事情を抱えていた。最終的には飲酒を完全に止めた。なので、先々週Reframe(リフレーム)が私の視界に入ってきたとき、私は興味を持った。

このスタートアップは、まだアルコール依存症ではないがアルコール摂取量を減らしたい、あるいは完全にやめたいと考えている人に焦点を当て、アルコール摂取量を減らすためのアプリを提供している。飲酒に限らず、あらゆる薬物中毒や依存症、その問題を解決するための市場は巨大だ。私がこのことを知っているのは、酒の量を減らしたり、完全にやめたりしようとしている多くの人たちと、話をできる機会があるからだ。パンデミックの中で状況が悪化していることも付け加えておこう。

なので、Reframeが最近急速に成長していることを知っても驚きはなかった。同社はAtlanta Venturesから140万ドル(約1億6000万円)を調達した後、Y Combinatorに参加している(2021年夏のクラスで、私はお気に入りの企業の1つとして挙げている)。アクセラレータープログラム終了後に340万ドル(約3億9000万円)を調達し、つい最近1250万ドル(約14億4000万円)のラウンドをクローズした。最後の資金調達ラウンドは、2021年末に行われ、資金調達後の評価額は1億ドル(約115億2000万円)となった。

このスタートアップは明らかに何かをつかんでいる。そして、ありがたいことに、同社はその結果を詳細に話してくれた。

同社のCEOであるVedant Pradeep(べダント・プリディープ)氏に話を聞いたところ、Reframeはこの6カ月間でARRが約79%の複利で拡大したという。また、プリディープ氏は、同社では過去12カ月間に毎週10.3%の成長が見られたという。その結果、1月28日までに計950万ドル(約10億9000万円)のARRが発生したが、先週初めにプリディープ氏がメッセージを使ってその数字を1000万ドル(約11億5000万円)に修正してきた。

さらに良いことに、認知行動療法や日記などのツールを組み合わせることで、人々の飲酒量を実際に変化させることができている。プリディープ氏によると、約88.63%のユーザーが2カ月で「飲酒目標を達成した」と報告しているという。さらにCEOは、自社のデータに基づいて、このデータは「彼らの飲酒量が50%(以上)減少したことを意味します」と付け加えた。

大したものだ。

さて、私は薬物関連の営利目的のケアには少々うるさい。そこで私は、プリディープ氏に会社の価格モデルや、Reframeに支払うだけのお金がない人たちに対する方針について話を聞いた。少なくとも私の基準では、この会社は公正なバランスをとっている。

テクノロジー界のリーダー、著名人、悪党が皆、大金を得ようと暗号資産の世界に頭から突っ込んでいるように見える今、Reframeは現実の問題を解決することもお金を稼ぐ方法の1つだということを思い出させてくれる。最近のスタートアップの価格傾向を考えると、なぜこの会社の最新の評価額にもう1つゼロが加わっていないのかが不思議だ。

そして、お酒といえば

今日のテーマであるお酒を続けよう。次はワインだ。それはすべてだ。

ワインについて学ぶ時間は決して無駄なものではない。Reframeの顧客でないのなら、ワイン通でいるのは楽しい過ごし方だ。友人と椅子を並べて、ゆっくりと頭の中に酔いを回すことが好きな人をを酔わせるのが好きな人は、カリフォルニアのしっかりしたカベルネとともにシャブリを楽しむ方法を知ることで食卓が華やぐだろう。

しかし、すべてのワインが飲むためのものではない。その中には、実際に投資に適したものがある。それこそがVinovest(ビノベスト)が、ワインの価格上昇に賭けることができるプラットフォームを開発している理由だ。最近同社は、顧客が個々のワインに投資できるサービスをリリースした。以前のVinovestは、ワイン投資のカテゴリーで、ロボアドバイザーによるサービスに力を入れていた。簡単に言えば同社は、これまで手の届かなかった高級ワインのような、代替投資の選択肢を求める人々が増えていることに賭けているのだ。

このVinovestのニュースを取り上げたのは、2021年に運用資産残高(AUM)が500%成長したことをはじめとして、何かが起きようとしているからだ。同社の勇猛果敢な広報担当者であるWilliam Ruben(ウィリアム・ルーベン)氏によれば、Vinovestは25万本以上のボトルをユーザーの名のもとに管理しており、それらは「世界各地にある特注の倉庫」に保管されているという。

暗号資産の急増や、デジタルコレクション購入の動きなどの中で、おそらくワイン投資は、ありふれた401(k)により多く組み込まれるようになるだろう。もしそれがうまく行けば、Vinovestの市場への賭けは、楽しみの多い果実を実らせることができるだろう。

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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