第10回HAXデモディで見かけた傑作ハードウェアたち

サンフランシスコミント(旧サンフランシスコ造幣局)で行われたハードウェアアクセラレーターHAXを取材した。今回10回目を数えるこのイベントで、新しいハードウェアスタートアップたちをチェックするためだ。多くのスタートアップたちが、ハードウェアとソフトウェアのクリエイティブな組み合わせを展示していた。特に旧来のサービスや時代遅れのビジネスモデルを改善するために、機械学習を取り込んだものが目立った。

HAXは、中国でのプロトタイピングと製造を行なう専門性で知られている。HAXの支援を受ける企業は、ハードウェアのスタートアップの創業者が直面する、個別の課題に対処するための専用リソースを、手にすることができる。

1/11:Breezi

BreeziはHVAC(heating, ventilation, and air-conditioning:冷暖房空調)システムをモニターし、フィルタの性能に関する重要な情報を提供する。Amazon Alexaとの統合により、HVACシステムの状態を声を使って確認し、最適なタイミングで交換用のフィルタを簡単に注文できるようにすることで、お金を節約して健康を改善することができる。

同社は、気圧やシステムの他の状態をモニターするために、エアフィルタに直接配置できるセンサを販売する。

2/11:Digi Bio

Digi Bioは、バイオテクノロジー研究を加速するためのハードウェアを開発している。同社の最初の製品は、一般的なテストを猛烈なスピードで実行するようにプログラムできる、マイクロ流体チップ実験を自動化するボックスだ。

3/11:EngX

EngXは、3D印刷、組立、配線が可能な製造ツールを利用して、生産プロセスのスピードアップを図っている。これまでの3Dプリンタは印刷のみが可能で、組立以降には手作業が残されていた。

現段階では組立はカスタマイズ可能な部品トレイを使って行われているが、チームによれば、将来的には組立プロセスをより広く適用可能にするために、コンピュータービジョンを更に統合したいということだ。

4/11 :Flow Neuroscience

Flowチームは、神経科学分野の研究を活用して、うつ病の治療をターゲットとした、電気インパルス利用の特殊なウェアラブルを開発している。研究では、活動の低下した左前頭葉を活性化することで、しばしばうつ病の症状が軽減されることが示されている。

ユーザーは、最初は25分間ヘッドバンドを週に5回まで着用し、徐々にその使用量を減らしていく。目標は、抗うつ薬の必要性を減らして、患者を助けることだ。

5/11 :GardenSpace

GardenSpaceはホームガーデニング用のモニターツールです。カメラを装備しているGardenSpaceは、植物の健康に関する情報を提供し、必要に応じて水やりを管理することができる。

チームはサーマルイメージングを利用して脱水状態をモニターしている。植物をGardenSpaceと一緒に育てるときに、システムは過去のベンチマークを参照しながら、モバイルアプリを通して状況を報告する。

6/11 :Lumotune

Lumotuneは店舗オーナーのためのコンテンツを表示する透明ガラスを製造している。物理世界とデジタル世界を橋渡しすることで、小売業者たちはタイミングに合わせて広告を変化させることができる。

Lumotuneは主にそのガラスを店舗に賃貸し、これまでの窓の後ろに広告ボードとして設置する。同社はまた、パネルの大量販売も行なっている。そうした顧客は特殊ガラスを窓に直接取り付けることができる。

7/11 :SmartShepherd

SmartShepherdは畜産業界を支援している。従来のやり方に比べてほんのわずかの手間で、完全な血統記録を行なうことができる。スタートアップのIoTデバイスは、新しく生まれた仔羊たちの母親たちを追跡するようにデザインされている。近親交配を減らすことで、農民の重要な資本を保護し、業界全体の成果を改善することができる。

8/11 :Teamosa

Teamosaは、お茶を淹れる際に、抗酸化物質が最大限保持されるようにデザインされたティーメーカーだ。このデバイスは温度と時間をコントロールし、自身を自動的に清掃することができる。

超音波を使ってお茶を淹れることに加えて、Teamosaはティーメーカー用にデザインされた特別包装のお茶も販売する。もちろん、消費者は望むなら自分のお茶を使うこともできる。

9/11 :ZiO Health

ZiO Healthは、さまざまな体液に対応できる検査システムを構築しようとしている。現段階では、ZiOは母乳に焦点を当てている。特製カートリッジと一緒に使用すれば、ZiOは母乳の質と、重要なビタミンや望ましくない汚染物質の存在について、母親たちに知らせることができる。将来は、血液と唾液も扱うようにしたいとZiOは考えている。

10/11 :Moona

Moonaのカスタム枕は水を使って枕の温度をコントロールし、人びとの眠りを改善する。クローズドループの加熱冷却システムにより、水の交換や定期的な清掃を心配することなく、毎晩特定のセッティングで眠ることができる。

ソフトウェアは、機械学習を使用して睡眠パターンをモニターし、一晩中枕の温度を自動的に調整して睡眠の質を最大限に高める。

11/11 :Unsupervised

Unsupervisedは「脚付き」自律ラストマイル配送のブランドだ。スタートアップによる最初の配送ロボットはAidaだ。強化学習を使うことによって、Aidaは複雑で変わりやすい環境で動作することができる。

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(翻訳:Sako)

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TechCrunch Japan

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