米司法省が阻止しようとするVisaとPlaidの合併問題を理解するための「火山モデル」

米国時間11月5日、米司法省は切迫状態の続くVisa(ビザ)とPlaid(プレイド)の合併阻止する行動に出た(未訳記事)。

契約が発表されたのは2020年の始めであり、11月になってこの合併を断念させようとする政府の決定は、大きな苛立ちを両社にもたらした。両社はこの約1年間、取引をまとめ承認を得るために曖昧な状態で運用を続けてきたが、あらゆる困難を耐えてきたことがこれで無駄になるかもしれない。

しかし、この取引きで次に何が起きるにしても、政府自身によるこの訴訟は、それ自体が不朽の名作といえる。そこでは反トラストについて多くを語っていないが、2020年にはどんなことでも可能だ。

状況をマンガにしてみた。

画像クレジット:DOJ

テキスト部分に書いてあるのは、Plaidは火山でありそこから類推するにVisaは水面上のどこかでビジネスをしながらPlaidが噴火して現在Visaが運用している環境を変えてしまうことを恐れている。

概念フレームワークとしては、ガートナーの市場調査レポートである「magic quadrant(マジック・クアドラント)」よりずっと良くできているが、この「Magic Volcano(魔法の火山)」はあまりおもしろくない。Visa VenturesのファウンダーであるPeter Berg(ピーター・バーグ)氏がこの落書きについての説明(Twitter投稿)をまとめている。

初心者には噴火している火山に見えるだろう。B2B2Cワールドで長い時間過ごした人には、水面下の数多くの「目に見えない」重要インフラが見え、その結果水面より上にある(消費者の)可能性がいっそう明瞭に見えてくる

バーグ氏のアナロジーによれば、この火山はむしろ氷山だ。つまりVisaはタイタニックのような船ということになる。

これを「ビザタニックの悲劇」とまとめるのは簡単だが、どうやら政府はPlaidが確実に乗船できないようにしているようだ。

海洋のテーマにこだわると、もしこの火山 / 氷山取引が止められた時、Plaidは海賊旗を掲げてどこか別の船を探しにいくのだろうか?ひとつ、すぐ思い浮かぶところがある。

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カテゴリー:フィンテック
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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