米国がファーウェイに対する禁制を一時的に緩和か

二歩前進、そして一歩後退。

トランプ政権は中国との貿易紛争をめぐる戦略を微調整しているようだ。先週はファーウェイが米国の技術を輸入することを禁じたため、Googleをはじめ一部の米国企業は、この中国の通信技術企業でもありスマートフォンのメーカーでもある企業との関係を部分的に断つことになった。

しかしFederal Register誌のまだ草稿段階の記事によると、商務省とその下の産業安全局が、ファーウェイに「90日間の一時的全面的許可を」を与え、すでにライセンスのある米国の技術の使用を続行できるようにすると発表した。ただし、新たにライセンスを要する新しい技術や新型のスマートフォンは、それらを申請しなければならない。そしてロイターによれば、その申請は認可されないだろう。

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撤回の理由はわからない。米国の雇用への影響、が答になるかもしれない。調査団体Information Technology and Innovation Foundationが本日発表した報告書は、ファーウェイおよびその関連企業への米企業からの輸出を禁ずれば米経済に最大563億ドルのダメージを与え、最大74000人の雇用喪失をもたらすという。もちろんテクノロジー企業の多くは関税にも輸出禁止にも反対しているし、トランプ政権は米国の雇用をその内政の中心的課題にしている。

もうひとつのありうる答としては、米国の措置に怒った中国が、レアアース資源への米国のアクセスを実質的に禁じるかもしれない、という説。先週末、習近平主席はレアアースの採掘現場を訪問したが、政治アナリストたちはそれが、中国がレアアースの最大の輸出国であることを米国に思い出させるためのサインだと言っている。確かに中国は、レアアースでは世界最大だ

この一時的な緩和によって貿易関係が大きく変わるわけではないがファーウェイにとっては、米国の技術を欠いた状態で次の企業戦略を練るための、小休止にはなるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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