米国取引委員会、フォルクスワーゲンを虚偽広告で提訴

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連邦取引委員会(FTC)は今日(米国時間3/29)、Volkswagen Group of Americaを、「同社の『クリーンディーゼル』であるべきVWとAudiの販売促進に使用した広告キャンペーンで、顧客を欺いた」として提訴した。もちろんみなさん覚えている通り、2015年10月の排ガス試験で不正が見つかったあの車のことだ。

本訴訟は、VolkswagenまたはAudiを2008〜2015年に購入したアメリカ人全員の損害を対象としている。さらにVolkswagen社に対して、これ以上消費者を騙さないよう要求した。同社が過去6ヶ月間学習したであろう教訓だ。

FTCによると、Volkswagenは同社のディーゼル車を低排ガスで環境に優しく再販価値を維持できると宣伝した。その7年間に50万人以上のアメリカ人がそれを素晴らしいと感じ、VWとAudiを購入あるいはリースした。

訴状は特に、問題の車が「50州の規制に適合」と宣伝されていたことを指摘している。これは、全米のどこでも、最も厳格なカリフォルニア州でも排ガス試験に通過することを意味している。そして、実際試験には合格したが、誠実なやり方ではなかった。

これらの車は、通常行われるように実験室で排ガス試験を受けていることを検知すると、エンジンの挙動を変えて排出量を減らす数行のコードが組み込まれていた。車が路上を走っている時は、排ガスを犠牲にしてエンジン性能を最適化していた。路上で排気管内のプローブを使って試験したところ、窒素酸化物は基準の最大35倍に達していたことを、国際クリーン交通委員会ウェストバージニア大学の代替燃料・エンジン・排ガスセンターの協力によって発見した。本訴訟は、これを不公正な取引行為であるとして訴えている。

おそらくみなさんは、自分が影響を受けた消費者であるかどうかおわかりだろうが、もし不確かであれば、訴訟の対象は、2009〜2015年のVolkswagen TD Jetta、Passat、およびTouareg、並びに同期間のAudi TDI全車である。該当車種の平均価格は2万8000ドルで、FTCはこれらの車をいかなる価格で購入した顧客に対しても賠償するよう求めて訴えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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