米国2020年国勢調査システムは、セキュリティー問題が山積み

国勢調査まで2年を切った今、国勢調査局はサイバーセキュリティー問題を抱えている。

これは、議会の番犬とも言われ、政府の歳出を監視する政府説明責任局が木曜日(米国時間8/30)に発行した最新レポートの中で最大の注目事項だ。超党派からなる同局によると、国民を危険に陥れる数千ものセキュリティー脆弱性を、政府の国勢調査局が修復するための時間は数ヶ月しか残っていないと言った。

10年に1度実施される国勢調査は、政府が国民に関するデータを収集するために行われる。

2020年の国勢調査に先立ち、調査局は国民がインターネットを通じて意見を送るための新しいオプションに必要な、44件の重要システムのテストを開始した。これは政府が数十億ドルの費用削減を見込むしくみだ。

2年にわたる2019年4月に完了予定のこのテストでは、3100件のセキュリティー問題と脆弱性が見つかったと報告書に書かれている。

全体では、43件のセキュリティー問題が「高リスク」あるいは「非常に高リスク」に分類され、これはパッチされていないシステムには既知の侵入方法に対して脆弱性があるという事実を裏付けている。

「2020年国勢調査では個人情報を全国数千万世帯から集めることになるため、調査局はシステムセキュリティ問題への時宜を得た対策を講じて、システム公開までにリスクを許容水準に抑える必要がある」と報告書は指摘している。

報告書によると、44件の中核システムのうち33件は2020国勢調査での運用が承認されたが、8件は大幅な修正のあと再認可を受ける必要がある。調査の運用に不可欠な3件のシステムはまだ認可されていない。

これらの認可は、当局がシステムのセキュリティーを評価した結果付与されるもので、政府事業の運営上必須となっている。認可が与えられた後もこれらのシステムは、リスクレベルが「許容水準」を維持するべく監視を受ける。

しかし調査局がこれらの問題を解決する時間はなくなりつつある。

「国勢調査局はシステム開発とテストで発生した問題による遅れのためにセキュリティーテストの時間が逼迫している」と報告書にかかれている。「調査局はセキュリティー調査に十分な時間を確保し、システム公開までにリスクを確実に許容レベルにすることが重要だ」。

政府説明責任局は、国勢調査局は93件の勧告のうち61件を実施し、32件については初期作業に取りかかったところだと話した。

国勢調査局の広報担当者は報告書以外のコメントを出していない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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