米Solid Powerが2000万ドル調達、全固体電池で“ポスト・リチウムイオン”目指す

コロラド大学出身のスタートアップSolid Powerは9月11日、Volta Energy Technologies、Hyundai CRADLE、Samsung Venture Investment、三桜工業、Solvay Ventures、A123 Systemsなどから2000万ドルの資金を調達、シリーズAの投資ラウンドを終えたと発表した。

Solid Powerはコロラド大学ボルダー校からスピンオフしたスタートアップ企業。2012年からソリッドステートバッテリー(全固体電池・ASSB)の研究を続けている。同社は2017年12月、BMWとパートナーシップを結び、EV用全固体電池の開発を目指すと発表していた

同社は調達した資金をもとに、マルチメガワットでロール・ツー・ロール方式を導入した設備を完成させ、生産拡大を図る。同設備は2018年末までに建設が完了し、2019年に本格稼働する予定だ。生産能力の向上により、「全固体電池を自動車産業、航空宇宙産業、防衛産業を含む複数の市場に供給する準備が整う」と同社は説明している。同社が掲げる最終目標は全固体電池が「リチウムイオン電池に取って代わる」バッテリーとして選ばれるようになることだ。

共同創業者でCEOを務めるダグ・キャンベル氏は「当社は『ポスト・リチウムイオン電池』技術の最有力候補だ。全固体電池は、EV、電子産業、防衛産業、医療機器の市場を一変させる。Solid Powerの技術で安全性や性能、コストに細心の注意を払った競争力のある製品を生み出し、業界に革命を起こす用意ができている」と語っている。

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TechCrunch Japan

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