約200機からなる地球観測衛星コンステレーションのPlanetが約3097億円のSPAC合併で上場へ

約200機の衛星ネットワークを運用し、地球イメージングとその観測から得られたデータのアナリティクスを提供しているPlanet(プラネット)は、特別目的買収会社(SPAC)であるdMY Technology Group IVとの合併により株式を公開すると発表した。買収後の株式価値は28億ドル(約3097億円)で、Planetは、dMY IVの出資による3億4500万ドル(約382億円)、BlackRockが運用するファンド、Koch Strategic Platforms、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures、およびGoogle(グーグル)から提供される2億ドル(約221億円)のPIPE(上場企業の私募増資)を含め、クローズ時に5億4500万ドル(約603億円)の現金残高を得ることになる。

少しの途切れの後、Planetは、今週SPACルートで公開市場に参入する2社目の重要な民間宇宙企業となった。両社とも地球観測事業を行っているが、7月6日にSPACによる合併を発表したSatellogicは、現在のところはるかに小さな規模で事業を展開している。2010年に設立されたPlanetは、これまでに約3億7400万ドル(約413億円)を調達し、現在稼働している中で最大の地球観測衛星コンステレーションを運営している。

同社のミッションは、地球イメージングデータが収集され、地球上の商業的利益に提供される方法を変革することだ。Planetの衛星ネットワークは、地球上のすべての陸地を毎日完全にスキャンすることができ、同社の創業者兼CEOであるWiill Marshall(ウィル・マーシャル)氏の言葉を借りるならば「地球データのBloombergのようなターミナルを介して」顧客に提供できるという。このサービスはサブスクリプションで提供されており、Planetによると、2021年1月に終了した直近の会計年度で1億ドル(約110億円)以上の収益を上げているとのこと。

Planetは、合併によって得られた資金を、既存の負債の返済に加え、既存事業の運営資金および「新規および既存の成長イニシアティブの支援」に使用する予定。同社は2021年後半に合併を完了させることを目指しており、その時点で、合併後の企業はニューヨーク証券取引所(NYSE)でティッカー「PL」で取引されることになる。

関連記事
商業赤外線衛星で政府機関より細かい地表温度データを収集・分析するHydrosat、地球の危機に関するデータ提供を目指す
わずか2cmの宇宙ごみを位相配列レーダーで検知し衛星との衝突をモニターするLeoLabs
衛星データで耕作放棄地の把握や土壌解析を行い農業課題解決に取り組むサグリが約1.55億円調達

カテゴリー:宇宙
タグ:Planet衛星コンステレーションSPAC人工衛星

画像クレジット:Planet under a CC BY-NC 2.0 license.

原文へ

(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。