美容師のためのアプリ「LiME」がアイスタイルから2.2億円を調達

LiMEのメンバー。写真右端が代表取締役の古木数馬氏

美容師のための顧客カルテ・予約管理アプリ「LiME(ライム)」を提供するLiMEは3月27日、「@cosme」などを運営するアイスタイルを引受先として、2億2000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。LiMEは2018年2月にもアイスタイルから7000万円を調達しており、今回の増資はこれに続くものとなる。

美容師アプリのLiMEは、これまで紙で管理されてきた顧客のヘアスタイルやヘアケア情報などを記録したカルテを電子化してスマホで管理できる、基本無料のツールだ。アプリ内に写真やメモで顧客の髪型履歴を残すことができるので、美容師からは「サロンに残って施術情報を書かなくても、帰宅時やちょっとした空き時間に入力ができて効率的」と評価されているそうだ。

LiMEからは連絡先が分かる顧客に「そろそろカットにいらっしゃいませんか」といったメッセージを送信することも可能。また予約管理ツールとしての機能もあり、ウェブまたは顧客用予約アプリの「RiZM(リズム)」経由で、顧客から直接予約を受け付けることもできる(オンラインの予約受付は有料機能)。

RiZMを利用する顧客とは、写真やメッセージなど、カルテの一部を共有することもできる。

LiME代表取締役の古木数馬氏は、自分のサロンで美容師をしながらLiMEを2014年8月に設立した人物だ。現場で働く美容師としての視点から開発したアプリLiMEを2016年4月にリリース。現在は1万7000人以上の美容師が登録するツールとなっているという。

顧客とのヘアスタイル履歴共有やオンライン予約機能は、2018年10月に追加されたものだ。この追加により顧客がレビューの投稿もできるようになり、カルテや予約管理ツールとして利用しているうちに、自然と口コミや感想を蓄積することも可能となった。

また、これまでLiMEは美容師がスマートフォンで、個人個人で使うツールとして展開されてきたが、サロン全体で俯瞰してカルテ管理・予約管理ができるPC・iPad用のサービス「LiMEsalon」も開発している。LiMEsalonでは、LiMEアプリと連携することで、サロン全体の予約表や顧客管理、売上レポート機能を利用することが可能。今後LiMEでは、サロン向けサービス展開についても強化を図る。

さらにLiMEでは、今回の資金調達をきっかけに、アイスタイルが運営する@cosmeとの事業提携も検討していくということだ。

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TechCrunch Japan

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