“義体”実現目指すサイボーグ技術のメルティンが総額20.2億円を資金調達

写真中央:メルティンMMI 代表取締役CEO 粕谷昌宏氏

サイボーグ技術の実用化を目指すメルティンMMIは10月17日、大日本住友製薬、SBIインベストメント、第一生命保険を引受先とした第三者割当増資を実施し、シリーズBラウンドとして総額20.2億円を調達したことを発表した。

彼らのコア技術であるサイボーグ技術は、生体信号を読み取り、人間の身体動作や意図を忠実に解析する「生体信号処理技術」と、それらを実空間で忠実に再現するための「ロボット機構制御技術」を融合させた技術だ。

これまでメルティンでは、サイボーグ技術を活用したアバターロボットのコンセプトモデル「MELTANT-α」および医療機器を開発してきた。

MELTANT-αは、人の手の動きを即座に模倣するリアルタイム性、小型・軽量ながら強力な動作が可能なパワー、「ジッパーを開ける」「ペットボトルのフタを開ける」「トランプを引く」といった繊細な動きの再現性を兼ね備える。また情報を送信するアルゴリズムを最適化することで、離れた場所にいても、遅延ストレスを感じさせず動作させることができる。

今回の調達資金をもとにメルティンでは、アバターロボットMELTANTの実用モデルや、医療機器の開発を加速させるとしている。

メルティンは、サイボーグ技術を活用したプロダクトの開発と実用化を進めることで、将来的にはこの技術を高度に発展させ、実用性の高い「Brain Machine Interface」や「義体」の実現を目指し、最終的には「人と機械を融合させ、身体の限界を突破することで、全ての人が何不自由なく幸せに生活できる世界を創る」ことを目標としている。義体化も脳直結の情報処理・機械制御も、近いうちに『攻殻機動隊』のようなフィクションではなくなっていくのかもしれない。

メルティンは2013年7月、CEOの粕谷昌宏氏とCTOの關達也氏、ほか数名のメンバーで創業した大学発のスタートアップだ。2016年1月にリアルテックファンド、グローカリンクより最初の資金調達を実施。2017年12月にはシリーズAラウンドで、リアルテックファンド、未来創世ファンド、日本医療機器開発機構を引受先とした第三者割当増資と助成金により、総額2.1億円を資金調達している。

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TechCrunch Japan

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