翻訳サービスのUnbabelが翻訳者にヒントを提供するSmartcheck機能を導入

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人間による編集と機械学習を併用する、Y Combinator支援の翻訳プラットホームUnbabelが今日(米国時間9/11)、Smartcheckと呼ばれる新しい機能を発表した。

Unbabekの基本システムは、インテリジェントな翻訳エンジンをベースとする翻訳サービスだ。仕事を求める翻訳者はそこに登録し、翻訳者を探している顧客は言語や専門分野などで検索する。現在は22の言語の45のペア(スペイン語を英語に翻訳、など)をサポートしている。

その機械学習の部分では、翻訳システムがシステム内で行われる翻訳から学習する。翻訳のパターンを認識して、特定の語句の特定の翻訳のされ方を覚え、それを基準として正しい翻訳とそうでない翻訳を見分ける。

UnbabelのCEO Vasco Pedroはこう述べる: “システムが徐々にお利口になっていく。人間編集者の仕事をモニタして、よくある誤訳を見つけるとコミュニティにフィードバックする”。

翻訳料金は語数ベースで、翻訳者の能力は1時間800語以上が期待されている。翻訳者の報酬は時間給なので、Unableとしては速い方がありがたい。そこでスピードアップとエラーの減少の二兎を、Unableは追わなければならない。

そこで登場したのが、Smartcheckだ。この機能は翻訳の過程で誤訳の可能性を指摘するだけでなく、正しい訳のヒントも与える。

Shows example of the Unbabel Smartcheck feature.

“翻訳者が翻訳をしていく過程でヒントを与え、検討を要する部分を高輝度化する”、とPedroは説明する。

指摘は単語のスペルのような単純な問題もあれば、主観的な言い方を避けよ、とか、顧客が求める文体でない、など高度な指摘もある。

システムはこれらのヒントを、翻訳エンジン内の翻訳者の仕事をモニタすることによって習得する。つまり人間翻訳者は機械から教わるが、その前に機械は人間翻訳者から学ぶのだ。

同社の登録翻訳者は今約32000名で、およそ380社が利用している。7月は同社の売上が初めて10万ドルを超えるという、最高記録に達した。

今同社の料金制度は、それまでの月額会費制から、語数ベースの翻訳料へ移行しつつある。

同社はY Combinatorの2014年冬季クラスに参加し、150万ドルを調達した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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