“腰をすえない転職アプリ”、TinderライクなUIが特徴の「GLIT」が企業向けβ版をリリース

学生のあいだに行う就職活動は、腰をすえてじっくりと取り組む時間がある。でも、働きながら行う転職活動は、まとまった時間が取れないことも多い。

そんななか、日本のスタートアップであるCaratは、TinderライクなUIが特徴的な「腰をすえない転職アプリ」を開発した。同社が2017年6月にリリースした「GLIT」だ。

ユーザーは、アプリに表示される求人情報を左右にスワイプしていくことで、その求人に対する興味度のアリ・ナシを分ける。興味があると回答した求人はアプリ内に履歴として残り、アプリから直接求人に申し込みをすることもできる。20代中盤の忙しいビジネスマンをターゲットにしたアプリだ。

ただし、これまでのGLITが表示する求人情報は外部の求人サイトから取得したものだった。求人への申し込みも、アプリ内に搭載したブラウザから外部サイトを通じて申し込むという流れだ。

そこでCaratは9月27日、GLITの企業向けサービスをβ版としてリリースすることを発表した。Webアプリを企業に提供して、GLIT独自の求人情報を集めることが目的だ。また、ユーザーのスワイプ結果を企業に提供し、興味があると回答したユーザーへ企業側から直接アプローチすることも可能になった。

Carat代表取締役の松本直樹氏によれば、リリース時点ですでに20〜30社の利用が決まっているという。リリースから3ヶ月で集めた個人ユーザー数は約500人だ。

「単に興味のアリ・ナシを企業に通知するのではなく、興味の度合いも提供していく。たとえば、同じ『興味アリ』でも、それが興味アリと答えた100個の求人情報のうちの1つなのであれば、興味の度合いは比較的低いと考えられるだろう」と松本氏は話す。

また、Caratはアプリに機械学習のテクノロジーを利用している。スワイプ結果をデータとして蓄積し、ユーザーの年齢やデータから抽出したキーワードをもとにユーザーをグループ化する。各グループごとに、興味を持つであろう求人情報を表示するという具合だ。

Caratは個人ユーザーにアプリを無料で提供する一方で、企業向けサービスには課金をしてマネタイズを目指す。β版の期間はサービスを無料で提供するため、詳しい料金プランはまだ未定だが、正式リリース後は月額数万円程度のコストで利用できるようにするという。

「企業ユーザーとして想定しているのは、求人エージェントに高いコストを払うだけの体力がまだないスタートアップ企業や中小企業」だと松本氏は話す。

2016年12月創業のCaratはこれまでに、シード資金としてSkyland Venturesおよび個人投資家から1500万円を調達している。

Carat代表取締役の松本直樹氏

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。