自分でも何を求めているかわからない従業員のメンタルヘルスケアソリューションを提供するmoka.care

moka.careは、あなたの心理的な幸福度を向上させるための手助けとなるいくつかのサービスを構築しているフランスのスタートアップだ。同社はそのソリューションを企業に直接販売している。契約した企業は自社の従業員にmoka.careへのアクセスを提供することができる。

moka.careは資金調達ラウンドで、元AlvenのパートナーであるJeremy Uzan(ジェレミー・ウザン)氏とRaffi Kamber(ラフィ・カンバー)氏が設立したVC会社であるSingularから250万ユーロ(約3億2000万円)を調達した。この日の調達ラウンドには、多くのエンジェル投資家が参加しており、Algoliaの共同創立者でCEOのNicolas Dessaigne(ニコラス・デサイン)氏、Made. comとTypologyを起ち上げたNing Li(ニン・リー)氏、DataikuのCEOであるFlorian Douetteau(フロリアン・ドゥエトー)氏、 LeetchiとMANGOPAY創設者のCéline Lazorthes(セリーヌ・ラゾルテス)氏、OpenClassroomsのPierre Dubuc(ピエール・デュバック)氏、LeCabのMarc-Antoine de Longevialle(マーク・アントワン・ド・ロンジェヴィアル)氏、JobTeaserのAdrien Ledoux(
アドリアン・ルドゥー)氏、Station FのRoxanne Varza(ロクサーン・バルザ)氏、CASTALIEのThibault Lamarque(ティボー・ラマルク)氏、IndyのCôme Fouques(コモ・フークス)氏が名を連ねる。

メンタルヘルスに関して、企業は十分な対応をしていないとMoka.careは考えている。多くの企業では、従業員は会社から電話番号を教えられ、そこに電話すればメンタルサポートを受けることができると言われるが、実際にそのようなヘルプラインに電話をかけている従業員はほとんどいない。

だからこそ、このスタートアップはまったく違うアプローチを取っている。その最も重要な原則は、人が求めるものはさまざまだということ。そして気分が落ち込んでいるとき、何を求めているのかは、必ずしも自分でわかっていないということだ。moka.careに連絡すると、あなたが何を求めるのかを理解するために、同社は30分ほど話をする。

その後は、3つの主なオプションが用意される。1つ目は、moka.careが心理学者や認定を受けたアドバイザー、免許を持つセラピストなどの専門家を紹介すること。2つ目は、特定のトピックを中心としたグループセッションの開催。たとえばリモートワーク、ワークライフバランス、自分に対する自信などだ。そして3つ目として、moka.careではこれらのトピックに関するコンテンツも提供している。これらのコンテンツにアクセスして、自分のことをもっと知ることができる。

このようなきめ細かなアプローチにより、人々が手遅れになる前にメンタルヘルスの問題に取り組めることをmoka.careは望んでいる。従業員がすでに過剰なストレスや疲労、燃え尽き症候群などで苦むようになってから、セラピストを紹介したくはないだろう。

従業員は最初のセッションで料金を支払う必要はない。企業が契約するmoka.careのプランに含まれているからだ。このことによって、従業員は気軽にmoka.careのサービスを受けてみることができるはずだ。もちろん、その後も予約を取りたいと思えば、料金を支払わなくてはならなくなる。

雇用主にとっても、moka.careは新規参入時のハードルを下げようとしている。クライアントはいくつかの使用率に基づいて、従業員数と利用期間に応じたサブスクリプションプランに同意することになる。もし、従業員がそれ以上にmoka.careを利用しても、雇用主は追加金を支払う必要はない。もし、従業員がまったくmoka.careを利用しなかったら、同社は余剰金を企業に返還する。

現在は30社ほどの企業がmoka.careと契約しているが、これは合わせて数千人の従業員がアカウントを作成してこのサービスにアクセスする可能性があるということだ。moka.careは現在、約50人の開業医と提携を結んでいる。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:moka.careメンタルヘルスフランス資金調達

画像クレジット:moka.care

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

投稿者:

TechCrunch Japan

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