自動運転技術のオーロラがボルボと提携、高速道路を自律走行するトラックの製造を目指す

自動運転車のスタートアップ企業であるAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、Volvo(ボルボ)と自動運転セミトラックを北米向けに共同開発することで合意したと発表した。

両社によると、この数年に渡る予定の提携は、ボルボの自動運転ソリューション部門を通じて行われ、同社の顧客が利用するハブ間の高速道路を自動運転で走行できるトラックの製造に焦点を当てたものになるという。オーロラが開発した、自動運転ソフトウェア、コンピュータ、センサー類を含む「Aurora Driver(オーロラ・ドライバー)」と呼ばれる技術スタックが、ボルボのトラックに搭載されることになる。

今回の発表は、オーロラがUber(ウーバー)の自動運転子会社を買収したことや、トヨタ自動車と自動運転ミニバンの開発で提携を結んだことに続くものだ。米国で販売されているクラス8トラックは、半数近くが3社のトラックメーカーによって占められているが、オーロラは現在、そのうちのPaccar(パッカー)とボルボの2社と提携している。

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「パッカーなど以前発表したパートナーとの提携は、ボルボとの協業と並行して継続します」と、オーロラの広報担当者はTechCrunchに語った。「パッカー初の自動運転技術パートナーとして、我々の提携の独自性は、安全のために運転手を乗せることなく運用できるパッカー初の大型トラックを製造して、それを市場に初めて投入し、広範囲に展開することを可能にします」。

オーロラによると、同社が買収したBlackmore(ブラックモア)とOURS Technology(アワーズ・テクノロジー)による周波数変調連続波LiDARは、長距離トラックの自動運転を解決する鍵になるという。LiDAR(ライダー)とは、light detection and ranging(光による検知と測距)レーダーのことで、自動運転システムに必要なコンポーネントと考えられている。オーロラの技術は、従来のTime of Flight(光の飛行時間から計測する)方式とは異なり、危険を察知してから停止または減速するのに十分な時間を確保できる長距離の認識が可能であることを売りにしている。

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今回の発表は、ボルボの自動運転車部門であるVolvo Autonomous Solutions(ボルボ・オートノマス・ソリューションズ)にとっても、大きな加速を示すものだ。同事業部にとって、これが自動運転トラックを公道に導入する初の案件となる。

2017年の創設以来、オーロラは急速に自動運転技術をリードする企業の1つとなり、Amazon(アマゾン)、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)、Greylock Partners(グレイロック・パートナーズ)からの支援を集めている。同社は、Uber、Tesl(テスラ)、Google(グーグル)の元幹部らによって設立された。

カテゴリー:モビリティ
タグ:自動運転Aurora InnovationVolvoトラック電気自動車

画像クレジット:Aurora

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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