自動運転車をめぐるGoogleとUberの法廷闘争が過熱、問題の技術者の一人が行方不明

自動運転車の開発をめぐるGoogleのUberに対する法廷闘争が、すでに最初から醜い様相を呈している。両社の弁護士はこれまでの二日間、Uberへ移った元社員〔複数形〕に盗まれたとGoogleが主張する企業秘密の閲覧許可に関して、激しく言い争った。そして今日、Uberの弁護士は法廷で、それらの技術者の一人を見つけることができなかった、と述べた。

Googleの自動運転車部門〔Waymo社〕は、自動化車両の開発で第一級のエンジニアだったAnthony LevandowskiがGoogleから企業秘密を盗み、その後唐突に退社した、としてUberを訴訟した。直後に彼は自分自身の自動運転トラックの会社Ottoを創り、それをUberが6億8000万ドルで買収した

原告企業のWaymoは、Googleの親会社Alphabet傘下の自動運転車企業だ。同社の主張では、2016年の1月にLevandowskiは、セキュリティ対策の施されているリポジトリから14000件の機密文書を無断でダウンロードし、その直後に退社した。同社は、ほかに二人のエンジニア、Radu RadutaとSameet Kshirsagarを、いくつかの文書を無断で持ちだしてから、同じくUberに雇用された、として告訴している。

Radutaは、すでにUberにいない、とUberの弁護士Arturo Gonzalezは法廷で語り、Uberは彼の所在を見つけられなかった、と言った。Waymoの主張によるとRadutaは、同社のメカニカルエンジニアだったが、Uberへ移る直前の昨年7月に、自動運転車関連の文書数件をダウンロードした。

Gonzalezは記者たちに、今後Uberは、この件はすべてGoogleとLevandowskiとの間(あいだ)の問題である、と主張していくつもりだ、と述べた。Gonzalezは、Levandowskiと彼の元雇用主〔Google〕との契約を、引証した。

Uberはまた、同社の社内弁護士の誰一人として、Googleの企業秘密が含まれている法廷提出文書の、元の完全な形を見ることが許されなかった、とWaymoを反撃した。そして両社は、Uberの社内弁護士Nicole Bartow一人だけが、その文書の閲覧を許される、という合意に落着した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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