自撮り機能を大幅に向上させたソニーの新スマートフォン。但し目にする機会はないかもしれない

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すでにご存知のこととは思うが、ソニーからミッドレンジのスマートフォンが2台、発表されている。この2台は「ソニーが最も得意なこと」にフォーカスしたデバイスだ。すなわち搭載しているカメラの魅力を前面に押し出すものとなっているのだ。これまたほとんどの人がご存知だと思うが、ソニーはスマートフォン用カメラのトッププロバイダーのひとつだ。大手もこぞってソニープロダクトを採用していて、たとえばAppleのiPhone 6やSamsungのGalaxy S6といったフラッグシップモデルが、ソニー製のカメラを搭載している。

細かな説明はともかく、実物をみてみよう。

Sony Xperia C5 Ultra

スマートフォンでは、背面カメラに比べて劣るスペックのものを前面カメラとして搭載するのが一般的だ。しかしXperia C5 Ultraは背面に1300万画素のカメラを搭載しつつ、前面側にも同じく1300万画素のものを採用しているのだ。レンズは22mmの広角で、自撮りの際に便利に使うことができる。もちろんフロント側にもフラッシュを搭載し、暗い中での自撮りも可能となっている。

カメラ以外についても触れておくと、ディスプレイは6インチだ。64bitで1.7GHzのオクタコアプロセッサーを搭載し、RAMは2GBとなっている。発売開始時期は8月とのこと。

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Sony Xperia M5

M5の方は、C5と同じ前面カメラを搭載しているが、背面カメラのスペックをさらにあげている。背面カメラの画素数は2150万で、4Kビデオにも対応している。こちらの画面サイズは5インチで、M4 aquaに搭載されていた防水機能も備えている。

プロセッサーは64ビットで2.0GHzのオクタコアとなっており、RAMは3GBでバッテリー容量は2600mAhだ。こちらもやはり8月の出荷開始となっているそうだ。

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C5 UltraやM5を目にすることはあるだろうか?

実のところ、ソニーはスマートフォン市場では苦戦を強いられている様子だ。売上台数も昨年比で16.3%の低下となり、この四半期でも大幅な赤字となっている。

ただしこのことは、ソニーが全体的に不調に陥っているということを意味するのではない。プレイステーション4やカメラセンサー分野などの好成績により、7億8000万ドルの利益をあげているのだ。AppleやSamsungのスマートフォンが売れるたびに、カメラセンサー部門の利益が積み上げられるという状況にもなっている。しかしながら、ソニー製のスマートフォン本体が売れていないという現実はある。

Xperia C5 UltraやM5は、今後における「スマートフォンカメラの可能性」を示すものだとは言えるかもしれない。ただ、誰もソニー製スマートフォンを購入せず、その可能性を体感するには、他メーカー(AppleやSamsungなど)の動きを待つ必要がありそうだ。

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(翻訳:Maeda, H