自転車メディア「FRAME」の自転車創業が資金調達、シェアサイクル時代に向けた新サービスも展開

自転車メディア「FRAME(フレイム)」を提供する自転車創業は12月27日、複数の事業会社および個人投資家2名を引受先とした第三者割当増資により、資金調達を実施したことを明らかにした。関係者によると数千万円規模の調達だという。

今回同社に出資した事業会社は、エボラブルアジア、カヤック、クララオンライン、ノーマディックの4社。各社とは事業間の連携も進めていく方針だ。

自転車創業のメンバー。写真右から2番目が代表取締役CEOの中島大氏

オウンドメディアが月間60万UUの自転車メディアへ成長

自転車創業はその社名の通り自転車に関する事業に取り組むスタートアップだ。最初に手がけたのは駐輪場のAirbnbともいえる、シェアリングエコノミーサービス「PEDALRest」。同サービスでKDDIのインキュベーションプログラムKDDI∞LABOに採択され、プログラム期間中の2013年11月に代表取締役CEO中島大氏とCTO幸龍太郎氏の2人で創業したのが始まりだ。

現在の主力事業は月間60万UUの自転車メディアFRAME。もともとは自転車保険比較サービスの集客目的で立ち上げたオウンドメディアだったが、メディアとして収益化できるほどに成長した。

中島氏によると、既存の自転車系ウェブマガジンはレース層をターゲットにしているものが多いそう。そこでFRAMEではもう少し母数が多いホビー層をターゲットに設定。おすすめの自転車やグッズの紹介、メンテナンス方法などのハウツーコンテンツに加え、グルメや旅行などライフスタイル系のネタも掲載している。

シェアサイクルの普及を見据えた新メディアも

またシェアサイクルが今後普及することも見据えて、8月には新サービス「FRAME OUT」のベータ版をローンチした(現在はスマートフォンからのみアクセス可能)。FRAME OUTはユーザーがまちの見どころやスポットを投稿する自転車よりみちサービス。「シェアサイクルがインフラ化した際に求められるであろう観光コンテンツを、UGC(User Generated Contents)として提供していく」(中島氏)

自転車創業では調達した資金をもとにFRAMEおよびFRAME OUTの成長に向けた運営体制の強化を図るとともに、調達先である事業会社との協業や連携にも取り組む。エボラブルアジアとは同社のOTA(オンライン旅行代理店)サービスとの協業、カヤックとはカマコンなど全国的に派生する地域コミュニティとの連携、クララオンラインとは同社が10月に解説した「シェアバイクラボ」との連携を進めるという。

「まずはFRAMEを自転車ウェブマガジンNo.1にすること、そしてFRAME OUTの正式版リリースとプロダクトマーケットフィットの達成を目指していきたい」(中島氏)

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TechCrunch Japan

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