英国のフィンテックGoCardlessが米国進出、デビット決済サービスを提供

英国・ロンドン拠点のフィンテックスタートアップであるGoCardlessは、顧客のデビットカード支払いを受け付けたい店舗のワンストップソリューションを目指している。このほど米国でもデビットカード決済サービスを開始した。

同社はサンフランシスコ金融街近くにオフィスも開業し、同社の前最高収益責任者で現在北米担当ゼネラルマネージャーのAndrew Gliboy(アンドリュー・ギリボーイ)氏が指揮をとる。

GoCardlessの新たな米国向けサービスは、ACH(自動小口決済システム)ネットワークを利用したデビットカード支払い。GoCardlessプラットフォームに加入した店舗は、米国消費者の銀行引き落とし支払いを、クレジットカードに代えて受け付けることができる。企業は、SaaSのサブスクリプション、インボイス、分割支払などのB2B取り引きのデビットカード支払いにもGoCardlessを使うことができる。

GoCardlessが米国で最大のデビットカード市場と目論んでいるのがそのB2Bだ。英国と異なり、米国では最大のライバルが小切手を書くことだからだ。小切手は2019年基準では手間も時間もかかり、デビットカードやACHのような可視性も得られない。

「GoCardlessプラットフォームでACHのデビットネットワークを使うことで、商店は顧客の銀行口座から直接支払いを受け取ることができる。クレジットカードよりもコストがかからず、現金や小切手のような手間もかからない」と同社は説明する。

GoCardlessを使う企業は、「完全自動」集金システムを通じて、支払期限や入金の成否や失敗の理由など、支払い状態を常に詳しく知ることができる。

ACHに対応することでGoCardlessの国際デビットネットワークは、単一のAPIとプラットフォームを通じて、30以上の国にサービスを提供できるようになった。

ちなみに、2011年創業の同社は、米国西海岸と縁がないわけではない。英国のスタートアップはシリコンバレーのアクセラレータであるY Combinatorを卒業している。当初はプロダクトマーケットフィットに苦戦したが、デビットカード支払いへのピボットに成功した。

もしどこかでGoCardlessのCEOであるヒロキ・タケウチ氏に会うことがあったら、彼が共同創業者たちと夜通し電話をかけて最初の英国ユーザーを獲得しようとした日々のことを聞いてみてほしい。当時はそうしないとYCのデモデーに何も見せるものがなかったからだ。

今やGoogle Ventures、Salesforce、Accelなどの支援を受けている同社は、あれ以来大きな発展を遂げた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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