複数のトラックが互いに通信し隊列を組んで燃費を節約するPeloton Technologyの車上システム

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セミトラックは隊列で走った方が良い、とかねてから言われている。燃料効率が良いし、安全だし、運転も楽だ。そしてこれからは、そんな隊列が至るところで見られるようになるかもしれない。運航自動化ソフトウェアのPeloton Technologyが、車両管理サービスのOmnitracsとパートナーして、今年からその隊列化技術を提供する。

Pelotonはまず同社の、最大級(Class 8)のトラック用の隊列化システムの予約を年内にこなしていく。それによって2台のセミトラックが、車両間通信とレーダーを使って隊列化し、一台が他の後ろを走る形になる(上図)。そのシステムは、レーダーを使った巡航システムの強化バージョンのようで、トラック自身が位置や運転に関する基本的な情報を共有する。

ただしそれは、いわゆる自動運転技術ではない。運転は100%、人間運転手が行い、路面路上の状況にも注意を払わなければならない。このシステムは適応型巡航コントロールシステムのように、緊急時の自動ブレーキ機能はあるが、しかし車両間通信により、前のトラックのブレーキが踏まれると、1/10秒位内に後ろのトラックのブレーキも自動的に入る。Peloton Technologyによると、これはSAEの定義によるLevel 1の自動化基準を満たしている。

隊列は今のところ2台のみなので、長蛇のように何マイルも連なる大隊列に出会うことはない。またPletonのシステムはクラウドサービスなので、特別に指定された条件の良い道路でしか使われない。今の多くの準自動化システムがそうであるように、面倒な状況では人間が完全にコントロールを握る。

Peloton Technologyの計算によると、いちばん顕著な利点は燃費だ。この2台の隊列では、先行のトラックの燃料費は4.5%節約され、後続車は10%節約される。Omnitracsを利用している運送会社でトラックにPelotonのシステムを搭載しているところは、そのシステムを利用できる指定道路をなるべく走るようにしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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