見込み客各社の情報から大きなグラフを生成して的(まと)を得た営業活動に結びつけるDeepGraph

あなたがスタートアップの経営者で、営業を強くせねば、と思ったら、まず営業という仕事を理解しなければならない。それはしかし、言うは易く…の典型である。Kemviは、それ自身今シード段階のスタートアップだが、今日(米国時間5/11)からステルスを脱してメインのプロダクトDeepGraphを発表した。営業が正しい見込み客(とくに企業顧客)を正しいタイミングで見つけられるようにするためのツールだ。同社の100万ドル強のシード資金は、Seabed VC, Neotribe Ventures, Kepha Partners, そして複数のエンジェルたちから調達した。

DeepGraphはさまざまな一般公開データを洗い出して、具体的な顧客が現れそうな、見つかりそうな市場関連イベントとそこに群がる企業や人びとを拾い上げる。そしてそれから、システムは定型的なコールドメールを送って、各社の見込み客になってくれそうな程度を見極める。そして、関心を持ってくれそうな見込み客の一群を見つけたら、今度は個別にアプローチしていく。

DeepGraphが送るコールドメールの例

DeepGraphは自分の楽屋裏で、さまざまな企業の関連事項から成る大きなグラフを作っている。A社の今度の新製品発表はいつか。株価はどう動いているか。出来高はどうか。これらの一般公開情報が見込み客の見込み度の指標になり、企業の今後の意思決定の兆候にもなる。そして全体としてDeepGraphは、データが表しているトレンドを見つける。たとえば株価が低迷していたらその会社は、営業を強化するためのサービスを探しているかもしれない。

そしてその次は、正しいターゲットにふさわしいメッセージを起草する。それを、DeepGraphの大規模なグラフが可能にする。どんな状況でも、基本的には一般化できる。たとえば調達をめぐるスキャンダルがあった直後に調達担当に送る、監査ツールに関するメールは、どれもほぼ同じ内容になるだろう。そしてもちろんSalesforceはDeepGraphを統合しているから二者の連絡先情報やそのほかの重要データを共有して、より幅広いターゲティングができる。

KemviのCEO Vedant Misraは、こう述べる: “DeepGraphを、Salesforceにアクセスしていないときに時間を有効利用できる場所にしたい”。

大きなグラフの生成と利用をより円滑にするために、楽屋裏では相当数の人間が働いている。これらの海外の人たちは、情報の真正性の確認や、背景的知識の補充を担当する。いずれも、グラフの信頼性と最新性を確保するための作業だ。

DeepGraphの料金は、一人あたりの月額×人数だ。早くも、次の資金調達をねらっている。このような、自動化された営業支援サービスは今とても活発な分野で、競合他社もGrowlabsNova AIなどをはじめ、数多い。まだ社歴の若いDeepGraphは、スタート時のチームが6名だが、今後R&Dから営業に回された人たちがどんな成果を上げるか、そのへんも楽しみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

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TechCrunch Japan

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