試合中継を見ながら遊べるオリジナルのファンタジースポーツゲームをNBAがローンチ

PHILADELPHIA, PA - OCTOBER 6:  Richaun Holmes #22 of the Philadelphia 76ers dunks against the Washington Wizards in a preseason game on October 6, 2016 at Wells Fargo Center in Philadelphia, Pennsylvania. NOTE TO USER: User expressly acknowledges and agrees that, by downloading and or using this photograph, User is consenting to the terms and conditions of the Getty Images License Agreement. Mandatory Copyright Notice: Copyright 2016 NBAE (Photo by Jesse D. Garrabrant/NBAE via Getty Images)

DraftKingsやFnaDuelが運営しているデイリーファンタジースポーツゲームは、確かにスポーツ観戦の楽しさ増大させているが、ひとつのチームの試合を集中して見たいという人には向いていない。

NFLを例にとって考えてみよう。毎週日曜日に自分のファンタジースポーツのチームに、9つのチームからプレイヤーを選べるとすると、同時に別のチャンネルで生放送される9つの試合の様子を追わなければいけない可能性がある。常にチャンネルを変えながら、自分が選んだプレイヤーの様子を確認するというのは悪夢のような光景だ。

そのため、デイリーファンタジースポーツはスポーツファンのエンゲージメントを高めるためのツールとしては優秀だが、ユーザーがリラックスした状態でひとつの試合をテレビで見ながらプレイするのには適していないのだ。

このことに気付いたNBAが、NBA InPlayと呼ばれる新しいモバイルファンタジースポーツゲームをローンチした。このゲームは、リアルタイムでテレビの生中継と連動するようになっているため、ユーザーはテレビでNBAの試合を見ながら、携帯電話上で文字通りライブプレイができるようになる。

ユーザーは、試合が始まる前に対戦し合う2チームのうちどちらかを選び、クォーターごとに1番活躍するであろうと考える選手を合計4人選択するというのがルールだ。

例えば、私であれば第一クォーターにKevin Durantを選ぶだろう。彼はいつも出だしが良い。そして第二クォーターにSteph Curryだ。彼は第二クォーターにスリーポイントを量産するような気がする。と、このような感じでクォーターごとに選手を選び、そのクォーター内での彼らのパフォーマンス(得点、リバウンド、アシストなど)に応じてユーザーはポイントを稼ぐことができる。 embiid

そしてリアルタイムの要素というのが、クォーターごとに4回アクティベートできる”ターボブースト”機能だ。アクティベート後48秒間有効なこの機能を使うと、ユーザーが選んだチームの全選手のパフォーマンスに応じてポイントが追加されるほか、ユーザーが予め選んだ選手にはボーナスポイントが加算されるようになる。

NBAは”ターボブースト”のリアルタイム性を強調しており、選手がスリーポイントを打つためにジャンプする直前や、速攻でコートを駆け抜けている瞬間に、ユーザーがこの機能をアクティベートすることを想定している。

極めて時間に依存したこの機能を上手く使うには、ユーザーのアクションがゲームのサーバーと完全に同期していなければならない。視聴場所に応じて、テレビの中継自体に2〜10秒のタイムラグが生じていることを考えると、これは大変難しいことだ。

この問題を解決するため、NBA Digitalは全ての中継から発される無音信号を読み取り、ユーザーがマイクへのアクセスを許可すれば、この信号を利用してNBA InPlayとテレビで放映されている試合が同期されるようになっている。

NBA InPlayは、TNTでアメリカ時間12月22日夜8時から放送されるロサンゼルス・レイカーズ対マイアミ・ヒートの試合中に開始され、今シーズン中に(TNT、NBA TV、ESPN、ABCを通じて)全国放送される試合全てに対応する予定だ。そのため、まだまだこの新しいファンタジースポーツゲームを楽しむことができる。ユーザーは、一般リーグで他ユーザーとスコアを競い合うことができるほか、プライベートリーグを作って友だちと遊ぶこともできる。

また、このゲームに有料オプションは準備されておらず、ユーザーは完全無料で遊ぶことができる。これまでのデイリーファンタジースポーツゲームと異なる点のひとつがこれで、ゲームを完全無料にすることで、業界を取り巻く規制問題を気にしないで済むという利点がNBAにはある。しかし高得点をおさめたユーザーへの商品は準備されており、NBAからはNBA Team Storeを通じてギフトカードが贈られるほか、スポンサー企業からもAutotraderで新車を買うためのクレジットやNBAファイナルのチケットなどが贈られる。

NBA InPlayをローンチしたNBA Digitalは、NBAとTurner Sportsが共同運営している。同社は、League Passなどのデジタルイノベーションを担当しているほか、NextVRともパートナーシップを結んでいる

しかし、近日中にDraftKingsとの合併を予定している、人気デイリーファンタジースポーツゲーム企業のFanDuelが、「スポーツファンのため、ゲームにイノベーションを起こし、ユーザーの選択肢を増やしていこうとする努力の一環として」、アプリの開発にあたりNBA Digitalをサポートしていた。さらにNBAは、ファンタジースポーツ業界が成長しはじめた頃の2014年にFanDuelに投資していた

NBA InPlayのアプリはすでにダウンロードできるようになっており、米国時間の12月22日夜から遊べるようになる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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