販売管理システムのApttusが契約管理に人工知能を導入

AIや機械学習は、今日のソフトウェアにとって、急速に欠かせないものになっているようだ。見積もりから決済までのサービスを提供するApttusは、契約処理部分の作業にAIを投入することで、非効率なシステムをスピードアップし、契約締結の速度を上げようとしている。

従来、契約は販売プロセスのボトルネックになっていた。ApttusのCEOで創業者Kirk Krappeが説明するように、契約ワークフローには一連の意思決定ポイントがある。企業はAIを使用して、進むべき方法を選択し、どれを優先させるかを決定することができる。

「契約管理と人工知能を組み合わせた組織は、リスク、サイクルタイム、コスト、交渉結果に関わる考慮事項に対して、明快なトレードオフを行う能力を持つことができるようになります」とKrappeはTechCrunchに語った。

同氏によれば、企業の経営幹部たちはこの能力を持つことで、幅広い企業目標に関連付けながら、様々な意思決定を管理する高い柔軟性を得ることができるということだ。「コスト削減を重視する組織もあれば、一方リスク軽減や売上成長の最大化を重視する組織もあります」と彼は説明する。

「このため、契約管理に適用されるAIは、あらゆる種類の組織において、将来の成長を促進し、生産性を向上させる可能性を秘めています。最高法務責任者および法務執行責任者たちは、この方式を無視することはできません。そして彼らと彼らの部門の価値を高める手段として、これを取り込むことができるのです」と彼は語った。

言い換えれば、人工知能を契約プロセスに適用することで、企業はより効率的に作業することができる。そのことでセールスプロセス全体を動かして、素早く成果へと結びつけることができるのだ。それは、契約書の作成、承認、署名を待っている法務部のボトルネックをなくすか、大幅に削減してくれる筈だ。

純粋な効率性の向上以外にも、このソフトウェアは、あなたの会社を保護するために欠けている条項を推奨してきたり、相手から提案された契約書の中から、自社に財務上のリスクを与える可能性のある条項を発見したりすることができる。そして、サードパーティの用語を契約データベースに組み込むことができるため、必要に応じてサードパーティの契約から適切な用語を取り込むことができる。

Apttusのシステムが、Salesforceプラットフォームの上に構築されているにも関わらず、Microsoft AzureのAIアルゴリズムを今回の製品機能の構築に利用したのは興味深い。 彼らはこれを単純なタイミングの問題であると説明した。彼らがこの機能の開発に取り組み始めたのは、Salesforceが6月にEinstein AI APIを公開したはるか以前なのだ。

Apttusは、販売プロセスの見積りから決済までのパートを処理する。営業担当者がCRMツールを使用して顧客に関する情報を追跡している一方で、見積もり依頼によって営業プロセスが開始されると、Apttusのようなツールが後を引き継ぐ。販売が完了すると、Apttusが契約も処理して、最終的に代金を回収する。

このAIによって拡張された契約管理機能は既に利用可能だが、有償のアドオンとして提供されている。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: GUIDO ROSA/GETTY IMAGES

投稿者:

TechCrunch Japan

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