買取価格比較サイト「ヒカカク!」運営のジラフがミクシィ子会社やメルカリ等から4億円調達——月間140万人以上が利用

買取価格比較サイト「ヒカカク!」やスマートフォンの修理価格比較サイト「最安修理ドットコム」、スマホ特化型フリマ「スマホのマーケット」を提供するジラフは11月2日、複数の投資家を引受先とする第三者割当増資により総額4億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回ジラフに出資したのはアイ・マーキュリーキャピタル、グリー、メルカリ、アドベンチャーに加え既存投資家であるドリームインキュベータとポケラボ創業者でジラフ執行役員の佐々木俊介氏だ。

ジラフは8月に「CASH」運営のバンクから数百万円程度の資金調達をしているほか、3月にアドウェイズ、アナグラム、個人投資家から1.3億円を、2015年10月にEast Ventures、TLM、個人投資家から4120万円を調達している。それ以前にもシードラウンドで資金調達をしていて、今回の調達により同社の資本金は約6億円となる。

「ヒカカク!」の月間利用者数が140万を突破

2014年9月に開始したヒカカク!が好調で月間利用者数は140万人を突破。3月の時点では100万人を突破したという話だったので、約半年で1.5倍近く伸びたことになる。

ジラフ代表取締役社長の麻生輝明氏いわく「シブい事業」である修理価格比較サイトの「最安修理ドットコム」も同様に伸びていて、月間利用者数は30万人を超えた。会社全体では3月時点ですでに黒字化をしているという話だったが、事業全体でみても約半年で2倍近く成長しているそうだ。

直近の成長について麻生氏は「SEO経由でのトラフィックの伸びだけでなく、営業サイドやマーケティングサイドなど含めて組織として利益を出せる体制、スピーディーに事業展開できる体制が整ってきたのが大きい」と話す。

ジラフ代表取締役社長の麻生輝明氏

ヒカカク!では査定申込数(見積もり数)が重要な数値となっているが、トラフィックの増加に加えて申込率も増加したことで全体の数値が底上げされているそうだ。麻生氏の話では申込数を最大化するうえで、特にこの半年は細かいサイト改善など含めた申込率の改善施策を実施。結果としてこの申込率が1.5倍〜2倍近くになったという。

申込率を押し上げる要因のひとつとなったのが、一括で最大5社の見積もりが出せる「一括査定機能」だ。「ユーザーが自分で買取業者を選ぶのはハードルが高い。査定したい商材や住んでいるエリアを入力することで、ニーズに合った店舗の結果が複数返ってくるようになった」(麻生氏)。これによりユーザーの使い勝手が向上し、査定申込をする率が高くなった。

スマホ特化型フリマもリリースし、C2C領域も拡大

冒頭でも紹介した通り、ジラフは8月にCASH運営元のバンクから資金調達をしている。今後はCASHとヒカカク!の連携、協業も進めていくほか、買取事業者向けのマーケティング支援や電話代行といったサービスも充実させる予定だ。

とはいえ既存事業についてはかなり自走できる状態であり、今回調達した資金は主に10月に開始したスマホ買取サービスの「スマホのマーケット」に使うという。スマホのマーケットはスマホに特化したC2Cサービスではあるが、ジラフが間に入って動作チェックや品質サポート、個人データの削除などを行い安全面を担保していることが特徴だ。

今回のラウンドには複数の事業会社が新たに参加しているが、既存の価格比較サイトの伸びを評価している投資家と、C2Cの新サービスを評価している投資家がいるそう。ちなみにメルカリはスタートアップへの投資スキームである「メルカリファンド」を7月に打ち出しており、今回の発表に合わせてサイトも立ち上げている。先日自社の傘下に入れたLabitの「ブクマ!」のように、特化型のC2Cサービスとしてジラフに興味を持ったということだろう。

スマホのマーケットでは購入した端末の修理補償サービスなど未着手だった機能の開発から始めるというが、その先の展開について麻生氏に聞くと「単なるフリマサービスに見えるかもしれないけれど、そこを起点にいろいろな領域に広げていけると考えている」と話してくれた。

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TechCrunch Japan

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