車出張修理のYourMechanicが中古車の購入前診断サービスを開始

中古車を買うときは必ず、メカニック(mechanic, 整備や修理の人)に見てもらった方がよい。どこが悪いか事前に分かっていればその後の苦悩も軽くなるし、値引き交渉もできる。昨年のDisrupt San FranciscoのBattlefieldで優勝したYourMechanicは、そういう事前チェックをサービスとして提供すべく、Pre-Purchase Car Inspections(購入前のお車診断)というサイトを立ち上げた。

本来のYourMechanicは車のオーナーとメカニックをオンデマンドで結びつけるマーケットプレースで、商談が成立したらメカニックがオーナーの家へ行く。メカニックは全員有資格者で、運転者の自宅で点検や修理をするから、ショップに持ち込んで何日も待つというかったるさがない。必要な部品の注文はYourMechanicが行い、取り付けをメカニックさんがやってくれる。いわば、車修理のUberだ。

同社はこれまで、各月の売上が25%増と着実に成長し、多くのリピート客も獲得した。また、最初はサンノゼ地区だけだったが、今ではサンフランシスコのベイエリア全域にサービスエリアを拡大している。

ただし、苦労もあった。YourMechanicの協同ファウンダAbhas Art Agrawalによると、まず困ったのが、正しい部品を見つけるアルゴリズムの不具合だ。たとえば今年の3月には、メカニックたちに渡した部品の40%が不適合で、修理に遅延を生じた。

Agrawalによると、同社のデータベースに載っている車種は約27000種、一車種につきメカニックの仕事は約200種類ある。掛け算をするとお分かりのように、仕事の数も部品の数も、ものすごく多い。その後アルゴリズムの改良で部品のミスマッチを約5%に減らせたが、まだ完全ではないので改良努力を続けている。

で、話を今日に戻すと、問題の診断サービスはどうなるのか? これまですでに、顧客の10%が診断をリクエストしているが、同社としてはまず、リクエストの仕方を標準化したい。診断の費用は約100ドルだが、だいたいは値引き交渉で得られる節約額の方がずっと大きい。

診断サービスは、今後の仕事数を増やすための新製品でもある。診断の結果、何をすべきかが分かれば、それが元々のYourMechanicおよびメカニックさんの仕事になる。その中古車のまずいところを、購入後のご自宅に伺って直すのだ。

同社はY Combinator出身で、これまでYC、SV Angel、Yuri Milner、Andreessen Horowitz、Lerer Ventures、Launch Capital、Jeff Clavier、CrunchFund、Paige Craig、A-Grade Investments、Jawed Karim、Justin Waldron、Joshua Schachter、Kevin Freedmanなどなどから計180万ドルの資金を調達している。CrunchFundは、本誌TechCrunchのファウンダMichael Arringtonがオーナーだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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