遺伝子編集でマンモスを再生する研究にハーバード大学が取り組んでいる、それらしき胚ができるのも近い

ST. PETER-ORDING, GERMANY - MAY 31:  Two replicas of mammoths are seen during the "Giganten Der Eizeit" exhibition opening on May 31, 2011 in St. Peter-Ording, Germany. Europes biggest ice age exhibition opens on 3rd of June.  (Photo by Krafft Angerer/Getty Images)

マンモスはとっくに絶滅したけど、でも、もしかしたら戻ってくるかもしれない。ただしそれは、象の遺伝子を編集してマンモスの形質を持たせる、というお話なのだ。今週行われたAmerican Association for the Advancement of Scienceの今年の年次大会で、ハーバード大学の研究者たちが、その研究の進捗状況を発表した。チームリーダーのGeorge Church教授によると、その進捗は意外と早かったそうだ。

4000年前に絶滅したとされるマンモスを再生する話は、これまでもあった。とくに、遺伝子編集技術の進歩を語るときには、よく持ち出される例だ。Churchのチームも、実は遺伝子編集技術CRISPR Cas-9を使って、象のゲノムの遺伝子にマンモスの形質…長い体毛や厚い皮下脂肪の層、そのほかの寒季耐性特性などを導入しようとしている。

研究者たちは、あと2年ぐらいでマンモスふうの象の胚を作れる、と言っている。The Guardianによるとそれは、一般大衆が絶滅種の再生という言葉に期待するものとは違って、実際には、マンモスの復活というよりもむしろ、何か新しいものだ。

しかも胚は、まだ実際の動物ではない。発生して、胎児、新生児、と育っていく胚はまだ得られていない。チームは、それまでには多くの年月を要する、と気の長い話をしている。現段階の研究は、発生の複雑な段階を、少しずつでも前進した有機体が得られるような、編集技術にフォーカスしている。最初それは細胞だったが、今やっと胚の段階に来ているのだ。

チームの話の中で興味深いのは、この研究からアジア象の保全のための知見がいくつか得られるかもしれない、という点だ。アジア象も、今は絶滅危惧種だ。また、彼らの研究からは、地球温暖化に抗してツンドラの溶解を防ぐための、永久凍土層の曝気技術が見つかるかもしれない。

もちろんこのような研究には、倫理の方面からの批判もある。生きるために社会を必要とする種を個体として再生することの意味。そして、遠い昔の動物を再生することよりも、今人間の介入によって危険に瀕している種の保全に、そのぶんのリソースを回すべきではないか。などなど。

しかしこのプロジェクトは、科学的にはすごくおもしろいし、研究が中断されることもないだろう。倫理的懸念は、確かにあるとしても。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))