金属3DプリンターのVelo3Dが最初の製品を発売へ

ここまで3年間、Volo3Dはステルスモードで活動してきた。サンフランシスコ・ベイエリア拠点のスタートアップは、2015年6月のスタート以来9000万ドルという魅力的な資金調達に成功しつつ秘密裏に動いてきた。しかし今日(米国時間8/19)、社員120名の会社はついに現在取り組んでいることを公にするべく、最初の製品の発売予定を発表した。

SapphireシステムはIntelligent Fusionという会社のテクノロジーを利用している。システムは粉末の塊をレーザーで焼結することによって、複雑な金属物体を3Dプリントする。プロセスは一般的な樹脂ベースの3Dプリンターとさほど変わらない。

このテクノロジーのさらに魅力的な特長のひとつが、幾何的に複雑な立体を、多くのシステムが必要とする支持構造を使うことなく作成できることだ。製品担当責任者のStefan Zschiegnerによると、完全な形になった作品を粉末の中から取り出せる。

同社の新しいマシンが他社と一線を画するのは、プロトタイピングだけでなく、積層造形に焦点を当てているところた。「Desktop MetalやHPなどはプロトタイピングに焦点を当てている」とZschiegnerライバルについて語る(ただしDestop Metalは生産システムを来年発売する予定)。「彼らの部品は最終生産プロセスには使えない」。

もちろん現在のテクノロジーでは本格的量産のためのスケーリングはできない。Velo3Dの早期クライアントには航空宇宙輸送関係の企業もあり、主に3D製造企業を通じて交渉している。フロリダ拠点の3Dプロトタイピング会社、3DMTはこのSapphireシステムを最初に導入する1社だ。Velo3Dは、Sapphireの初回成功率は90%だと言っている。ほかには、チタン製のカスタマイズされた医療用埋め込み器具への応用が考えられる。

正式な販売価格は発表されていないが、同社はほかの工業用金属プリンティングシステムと「競争できる価格」と言った。Veloはこの機を利用して、AutoDeskの元社長・CEO、Carl Brassが会長として取締役会に加わることも発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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